大江山連峰 千丈ヶ嶽からの眺め

5月に丹後の大江山連峰にある最高峰の「千丈ヶ嶽」に登って来ました。

大江山(千丈ヶ嶽)からの与謝野町

丹後は「海の京都」として知られる一方で山がちでもあり、特に大江山周辺は鬼の酒呑童子(しゅてんどうじ)が住んだというほど山深い地域でもあります。山が連なる大江山連峰の中でも最高峰が千丈ヶ嶽の約832m(現地看板では833mですが、地理院地図では改定)。与謝野町の加悦(かや)の側から見ると、東にあるひときわ高い山がそれで、丹後地方の最高峰でもあります。大江山は特定の山を指すのでは無く、連峰となっている山並み全体を指す呼称です。

大江山連峰

2022年は大江山連峰の「赤石ヶ岳」に登り、その時もブログに書いています。千丈ヶ嶽へのルートは複数あり、赤石ヶ岳に登った時にように加悦双峰公園から登るのルートもありますが、今回は最も近くまで車で行ける「鬼嶽(おんたけ)稲荷神社」からのルートを選びました。鬼嶽稲荷神社へは、福知山市大江町側から車で行くことができ、途中には「日本の鬼の交流博物館」も位置しています。神社の手前に車3台ほどのスペースの駐車場があります(神社最寄りにはとめられませんのでご注意を)。

鬼嶽稲荷神社

神社の創建は古代に日子坐王(ひこいますのみこ)が玖賀耳之御笠(くがみみのみかさ)と戦うにあたり、大江山に登って神の加護を得たことに由来し、その息子である丹波道主命(たにはのみちぬしのみこと)が父ゆかりの地に祠を建てたのが創建と伝わっています。現在は、秋に雲海が望めることで知られる神社です。

登山道の入り口

神社の奥には大江山の千丈ヶ嶽を目指す登山道があり、登り口にはお手洗いもあります。山頂までは約1.1kmの道のりです。なお「鬼の洞窟」と書かれた看板がある方の道は、道中がわかりにくく、荒れた個所や急な個所があるため、登山慣れしていない方は避けた方がよいでしょう。また、丹後の山には熊がいますので、熊よけの鈴があるとよいと思います。

登山道

登り口から最初は階段で道が続いていきますが、やがて林の中を進む道となります。階段を過ぎるとさほど険しくはありませんので、気持ちよく歩いて行けるでしょう。途中、麓の天座、雲原や三岳山(みたけさん)方面を望める休憩スポットもありました。三岳山は、源頼光が酒吞童子退治の前に登って大江山方面を望み、北東の方角に鬼の棲み家から上る煙を見つけ、その鬼の岩屋へと向かうという山です。

三岳山

さらに登って行くと、加悦双峰公園(かやそうぼうこうえん)方面と山頂の千丈ヶ嶽方面との分岐になりますので、千丈ヶ嶽方面へと向かいます。まだ眺望は開けません。分岐から5分ほど歩いて、いよいよ千丈ヶ嶽の山頂へ到着です。

登山道

周囲は木がなく、開けており、一見眺望があまりよくありませんが、少し下ると与謝野町方面の眺望にすぐれた展望スポットがありました。鳩ヶ峰も見えます。山頂付近では、大江山山頂や大江山連峰を示す看板などがあり、達成感を得られるでしょう。

大江山(千丈ヶ嶽)

望遠レンズで与謝野町方面を見ると、水田には水がはり、よい光景でした。遠く峰山方面も見えました。麻呂子親王の鬼退治伝説では、大江山から鬼が岩を麓の親王に投げつけて来ますが、そのような伝説の筋書きもこうした眺望から発想されたのかもしれません。

大江山(千丈ヶ嶽)からの与謝野町

展望スポットからは日本海も望め、冠島や沓島、伊根浦方面も遠くに見えています。快晴ではありませんでしたが、満足できる眺望を望むことができました。

大江山(千丈ヶ嶽)からの伊根町

この日は時間の都合もあり、千丈ヶ嶽からの眺めを楽しんだ後はそのまま来た道を戻って鬼嶽稲荷神社へと戻りました。念願だった大江山(千丈ヶ嶽)に登ることができ満足でしたが、また機会があればよく晴れた日に再訪してみたいと思いました。

大江山(千丈ヶ嶽)からの与謝野町

ガイドのご紹介 吉村 晋弥

京都検定1級に8年連続の最高得点で合格(通算10回合格。第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都(BS11)「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。

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