京丹波町にある大福光寺（だいふくこうじ）を訪れました。
大福光寺は京丹波町下山にある真言宗御室派の無住のお寺で、山並みを背景に国の重要文化財の本堂と多宝塔が佇んでいます。寺は鞍馬寺の僧・峰延（ほうえん：法延とも）が延暦年間に現在地よりも北に開いたと伝わり、その後、鎌倉時代の末の嘉暦2（1327）年に足利尊氏の帰依を得て現在地に移転。以後、足利将軍家の祈祷所として崇拝を受けてきたそうです。
寺宝の「方丈記」は、鴨長明が鎌倉時代初期に著した本の現存最古の写本（寛元2年：1244年書写）で国の重要文化財。諸堂は天正年間の兵火で焼失しますが、鎌倉時代の末に足利尊氏の寄進で再建された嘉暦2年建造の本堂が現存し、同時期建立と見られる多宝塔とあわせて国の重要文化財となっています。本堂内には本尊の毘沙門天像が祀られているそうですが、通常は非公開。
鞍馬寺の僧が創建したとあって、毘沙門天信仰が伝わるお寺です。足利尊氏も武運を祈願したのでしょう。その他、狩野元信の板絵・竹虎図などの寺宝が伝わるとのことですが、いずれも通常非公開です。
京丹波町下山は気持ちの良い高原の雰囲気がある地域で、鳥のさえずりが響く中で貴重なお堂の外観を目にすることができました。
ガイドのご紹介 吉村 晋弥
京都検定1級に8年連続の最高得点で合格（通算10回合格。第14回合格率2.2％）、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都（BS11）「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。
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