嵯峨野の二尊院では、美しい新緑と桜に出会うことができます。

二尊院は、天台宗の慈覚大師・円仁によって平安初期に創建された寺院で、正確には小倉山二尊教院華台寺といい、鎌倉時代の釈迦如来像、阿弥陀如来像の二尊をお祀りするところから、二尊院の名がよく知られています。入り口の立派な総門は、伏見城の薬医門を移築したものと伝わり、そこから続く一直線の参道は「紅葉の馬場」と称されて、晩秋には多くの参拝者で賑わいます。

春の参道はソメイヨシノなどの桜が咲いて、新緑も美しく、たいへんおすすめな場所です。先日KBS京都で放送された「京都浪漫」でもご紹介をさせていただきました。BS11では来週13日(月)の放送です、よければご覧ください。

本堂の裏には、射干の花が咲き、清涼感あふれる眺めを見せています。法然上人ゆかりの寺でもあり、詳しくは省略しますが、二尊の本尊は善導大師が説かれた二河白道(にがびゃくどう)の話が元になっているといいます。

法然上人の湯上りのくつろいだ姿を描いたという「足曳きの御影」も有名で、絵師が法然上人が足を出した姿をこっそりと描いたものの、法然上人が念じると描かれた足がひっこんだとの伝説があり、模写を本堂で目にすることができます。墓地には、角倉了以をはじめとする角倉家や、伊藤仁斎・東涯の墓があるなど、見どころが多い寺院です。

現在、本堂の周辺では遅咲きのしだれ桜が咲いて見事でした。例年、北側(向かって右)では「二尊院普賢象桜」が咲きますが、6日の段階でまだ開花の気配が見られず、樹勢がやや心配です。二尊院普賢象桜は、二尊院の名を冠した珍しい桜で、花弁は150~160枚ほどになるそう。千本ゑんま堂に伝わる、ゑんま堂普賢象とは違う系統の普賢象桜で、たいへん珍しいものです。

なお、個人的におすすめなのが入り口の甘味処「四季庵」さん。拝観をしないと入れないお店ですが、丹波大納言小豆を使用したおぜんざいが800円でいただけます。焼いたお餅も2つ入っています。この小倉山の麓は「小倉あん発祥地」とされ、二尊院の境内には石碑も建っています。お時間許せばお立ち寄りください。

ガイドのご紹介 吉村 晋弥

京都検定1級に8年連続の最高得点で合格(通算11回合格。第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都(BS11)「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。
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