日本最古の農民家 石田家住宅

先日、南丹市にある石田家住宅を訪れました。建築年代が確認できる農民家としては日本最古とされている貴重な建築です。

石田家住宅

石田家住宅は南丹市美山の西寄り、由良川の大野ダムの北の樫原という集落にあります。アクセスは京都縦貫道から丹波ICで降り、国道27号線を北へ向かうとよいでしょう。数台程度の駐車場があり、公開は4月~11月の土・日・祝の10時~16時で平日は不可となっています。現地に人がおられ、気になることも質問ができます。

石田家住宅

茅葺屋根の外観が印象的ですが、2021年に屋根全面の葺き替えがされており、まだまだ綺麗に見えます。低い軒も特徴的で、冬は雪も積もる地域とのこと。茅葺の屋根は夏は涼しく、冬は暖かく過ごせるそうで、南丹市美山地区では「かやぶきの里」のように多数の茅葺民家を見ることができます。

石田家住宅

建物は縁桁に記された墨書から、江戸時代の慶安3(1650)年に建てられたことが判明しており、建築年代が確認できる農民家としては日本最古とされています。昭和48年に解体修理が行われ、建築時の建材を使用して創建当初の姿に復元されました。昭和47年には国の重要文化財の指定を受けています。

石田家住宅

内部は「北山型」と称される構造で、おおよそ正方形の建物に、座敷(オモテ)と台所(ダイドコ)が食い違った間取りのほか、出入口は妻入りとなっています。美山地域では、出入口を入ってすぐの土間であるニワが、土を高く持ったアゲニワとなっているのも特徴だそうです。戸は片引きの板戸で、内部は全て板壁、畳は座敷(オモテ)にのみ敷かれています。

石田家住宅

入母屋造の屋根は、竹で組まれた骨組みの上に、釘ではなく縄で支えられているとのこと。その下には屋根裏部屋があり、数十年に一度の葺き替えのために乾燥させた草(ススキなど)を保管していたそうです。

石田家住宅

美山地域の民家は、主産業が林業から農業に変わるにつれ、18世紀から19世紀には北山型の特徴が失われて土間が次第に広くなり、出入口も平入りに変わり「かやぶきの里」の民家も多くは平入りとなっていますが、石田家住宅は古い形式を残し、日本の農村民家のひとつの原型を伝える貴重な建物とされています。

石田家住宅

やや遠方ではありますが大野ダム周辺から「かやぶきの里」へ道路を抜けることもできますし、反対に「かやぶきの里」方面から訪れることもできますので、機会がありましたら見学をしてみてください。

石田家住宅

ガイドのご紹介 吉村 晋弥

京都検定1級に8年連続の最高得点で合格(通算11回合格。第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都(BS11)「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。

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