天橋立や廻旋橋、磯清水の風景です。

天橋立は海の中にのびた長大な砂州で、それぞれの岸からリフトなどに乗って高台に上れば、見事な眺めを望むことができます。京都丹後鉄道側が天橋立ビューランド、そして天橋立を渡った対岸が傘松公園です。他にも、大内峠や獅子崎(しいざき)稲荷神社からの眺めも有名です。

一方、天橋立そのものも歩くことができます。松並木が2.5㎞以上も続く道で、両側が海という不思議な眺めを感じることができます。内海の阿蘇海と宮津湾とでは海の色合い(堆積している砂の色)も違っています。

天橋立の砂地は、大きく大天橋と小天橋とに分かれており、小天橋と智恩寺側の文殊砂州との間には、廻旋橋という船が通過する際に開店する橋が架かっています。大正12(1923)年に手動でまわる廻旋橋ができましたが、橋の下を通る大型船舶が多くなり、昭和35(1960)年5月から電動式となりました。多いときには日に50回ほど廻るそうです。

この日はちょうど天橋立観光船を下りた時に動く様子を撮ることができました。偶然見られればラッキーでしょう。観光客の皆さんは写真や動画を撮っていました。船が通過すれば橋は元に戻って、再び歩行者が渡ることができます。廻旋橋は橋の継ぎ目が目立たないのも不思議です。

この日は雪が積もりましたが、天橋立周辺は日中にはみぞれから雨に変わり、雪はべちゃべちゃの状態でした。水たまりも多く、靴に水が入ってきやすかったです。冬場は長靴でもよいでしょう。大天橋を北へ進むと、橋立の幅が広くなっている「濃松(あつまつ)」と呼ばれる場所があります。

そこには「磯清水(いそしみず)」と呼ばれる水があり、海のど真ん中の砂州にありながら真水が湧くという不思議な井戸として知られます。京都府では、伏見の御香水とともに環境省の「日本名水百選」にも選ばれていますが、現在は飲用には適さないとの掲示があり、手水としての使用が推奨されています。

戦国時代に丹後を治めた細川藤孝(のちの幽斎)・忠興(のちの三斎)親子は、天正9(1581)年、忠興の妻・玉(のちのガラシャ)の父である明智光秀を招き、天橋立で茶会を開きました。細川三斎最初の茶会とも呼ばれます。参加者は他にも茶人の津田宗及、連歌師の里村紹巴など豪華な顔ぶれでした。翌年に明智光秀は本能寺の変を起こし、玉は父の光秀と最後の対面になったのではともいわれます。

磯清水が真水である理由は諸説ありますが、海水と真水との比重の違いで、海水の上に真水が乗った状態なのではないかとの説が納得感があります。橋立が最も幅がある場所ですので、他の場所よりも多くの雨や雪などが染み込んでいる場所なのかもしれません。昨年10月に訪れた時には水が枯れていましたが、今回は出ていました。

「濃松(あつまつ)」へは、現在は南側から橋で渡って来られますが、本来は北側からしか陸地では繋がっておらず、智恩寺側からは切戸(きれと)と呼ばれる天橋立の切れ間となる水路を隔てて、舟で渡る場所でした。現在も天橋立神社の正面、南側には海に面した鳥居が残っていて、遊覧船からも確認ができます。

ガイドのご紹介 吉村 晋弥

京都検定1級に8年連続の最高得点で合格(通算10回合格。第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都(BS11)「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。
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