雨宝院の歓喜桜と観音桜

西陣の聖天さんで知られる雨宝院で、境内の桜が見ごろとなっていました。

雨宝院

境内の歓喜桜は御室桜と同じ種類で根元から花をつけます。似ていますが、観音桜と呼ばれる桜もあって同じような白くてやや花弁の大きな花を咲かせます。これらの桜は御室桜と同じような経過をたどりますので、見頃も数日間と短く、恐らく金曜日の雨でかなり散ってしまうのではと思います。先日出演させていただいたKBS京都の「京都浪漫」でもご紹介をさせていただいた桜です(BS11では4月13日夜の放送です)。

雨宝院

雨宝院の境内は桜が空を覆い尽くし、一歩境内へと足を踏み入れると、別の世界に入ってきたかのように感じます。境内では椿や石楠花も花を咲かせ、あちらこちらに見どころが隠された、西陣の花の寺といえるでしょう。じっくりと境内を隅々まで散策したくなります。なお、緑色の花を咲かせる御衣黄(ぎょいこう)という桜も有名でしたが、近年枯れてしまいました。

雨宝院

雨宝院はお寺の由緒も古く、平安初期にまで遡ります。弘法大師・空海が、嵯峨天皇の病気平癒を祈願して造った大聖歓喜天像を祀ったお寺(大聖歓喜寺)をルーツとしています。大聖歓喜天のことを略して聖天(しょうてん)と呼び、象の頭に男女が抱き合った姿の象頭人身のお姿をされています。また、境内にある染殿井(そめどのい)は西陣五水の一つで、地元では「どんなに日照りが続いても枯れることがない」といわれているそう。西陣織の染色に使われたことから染殿井と呼ばれるようになりました。

雨宝院

観音堂に安置される重要文化財の千手観音像は、一木造で平安初期の作風。千本五辻にあった大聖歓喜寺のものと考えられています。仏像ファンには知られた像かもしれません。辺りは応仁の乱の激戦地のひとつ西陣で、戦火でお堂が燃えた際には、信徒がこの像を船岡山に隠したとされ、その時に手の何本かが失われて現在のようなお姿になったそうです。博物館の中ではなく、今でもこうして西陣の街にあって人々の信仰を集め続けているところが素晴らしいです。仏像はお寺の方がいる時に限り、拝観させていただくこともできます(基本的には事前申込)。博物館とは違いますので、手を合わせる気持ちを持って臨みましょう。

雨宝院

境内は他にも神仏習合の様式がみられ、歓喜天を祀る本堂の前には鳥居が立っています。観音堂、大師堂、庚申堂、不動堂、稲荷堂など、順番にお参りをされている地元の方もお見かけします。大師堂の弘法大師像は、汗をかくほど辛いことでも助けて下さるそう。桜の美しい境内ですが、時代を越えても変わらぬ篤い信仰も感じられるお寺です。

ガイドのご紹介 吉村 晋弥

京都検定1級に8年連続の最高得点で合格(通算11回合格。第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都(BS11)「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。

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