渉成園の特別公開

渉成園
11月1日~6日に、渉成園で園林堂内の棟方志功の襖絵などが特別公開されました。

渉成園渉成園は、寛永18(1641)年に徳川家光が土地を東本願寺に寄進し、石川丈山が庭園を築きました。当初は生垣に枳殻(からたち)が植えてられていたため枳殻邸(きこくてい)とも呼ばれています(カラタチは現在も一部が残る)。幕末の火災で建物は失われましたが、池泉回遊式の美しい庭園が残り、現在は桜と紅葉の穴場のみならず、梅や藤など四季折々に美しい風景を楽しむことができる場所です。

渉成園再建された建物も趣があり、園内中央にある楼門造りの傍花閣(ぼうかかく)が特に印象的ですが、池にかかる屋根付きの木橋は回棹廊(かいとうろう)と呼ばれ、中央部の唐破風屋根が特徴。園地は平安初期の貴族・源融(みなもとのとおる)の邸宅・六条河原院の跡とされることもありますが、場所がずれており史実ではありません。ただ、六条河原院を偲んで塩釜の手水鉢が置かれていたり、造営中に発掘された石塔が源融の供養塔として建てられています。

渉成園渉成園の特別公開は昨年も行われ、臨池亭や滴翠軒での茶席の他、園林堂の内部に描かれた棟方志功の襖絵などが公開されました。普段は入れない建物内に上れるまたとない機会です。「天に伸ぶ杉木」、「河畔の呼吸」と題された襖絵は芸術的で、間近で見られることに皆さん喜んでおられました。

渉成園 井上雄彦氏の絵画の手ぬぐいまた、閬風亭(ろうふうてい)内部では、「スラムダンク」や「バガボンド」などの作品で知られる、漫画家の井上雄彦氏が宗祖親鸞聖人750回御遠忌を記念して描いた屏風『親鸞』が公開されました。さらに、徳川慶喜の書や幕末の貴重な資料なども公開され、見どころの多い展示でした。閬風亭内部からの池の眺めも綺麗です。今年の公開は終了しましたが、また来年以降も公開を期待したいと思います。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2016」監修。特技はお箏の演奏。

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