京都の紅葉は終盤。建仁寺は遅くまで紅葉を眺めることができるお寺のひとつです。14日に訪れました。
12月も半ばに入り、遅かった今年の京都の紅葉も多くが終盤か散り果てになっています。ただし、場所を選べば何とかならないこともありません。「建仁寺」もそのひとつ。京都の繁華街、祇園の南にある京都最古の禅寺です。街中にあるため気温が高く、紅葉の色づきは遅め。終盤ではありますが、まだ美しい光景を目にすることができます。
お時間のある方は、ぜひ有料拝観を行ってみてください。有料拝観の場所では潮音庭(ちょうおんてい)の紅葉がおすすめです。座って眺められる枯山水のお庭。四方正面ですので、どこから見てもよいのですが、入って手側の場所が一番人気でしょう。薄暗い室内から眺めるお庭は、やはり京都の一つの象徴的な光景で、今はそこに赤い紅葉が加わっています。庭の中央には三尊石。その奥の建物内をよく見ると、風神雷神図屏風(複製)が見え、京都らしい写真も撮ることができるはず。奥の部屋には椅子もあり、ゆっくりと望むことができます。
そして紅葉と並んで美しい、鳥羽美花さんの色鮮やかな襖絵も展示されています。襖絵は「型染め」の技法を進化させた「型染絵画」と呼ばれ、細かい曲線がつむぎだす芸術的かつ繊細な風景が描かれています。特に、潮音庭に面した部屋に描かれた「舟出」という絵は、色鮮やかな青がたいへん印象的で、多くの人が「わぁ~!」と感嘆の声をあげます。
建仁寺は祇園界隈にあるものの、穴場と言えるほど比較的静かな場所です。拝観では、畳108畳もある巨大な双龍図や、広々とした方丈庭園など見どころもたくさん。海北友松の襖絵も見事で、室内もすべて撮影がOKというのも嬉しいところ。ぜひ、ゆっくりとご覧になってみてください。
『京ごよみ手帳2021』休刊のお知らせ
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
京都検定1級に3年連続最高得点で合格(第14回~第16回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2020」監修。特技はお箏の演奏。
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