今年は申年。三条天神川の東にある猿田彦神社が賑わっています。
毎年初詣の時期はその年の干支にちなむ神社が賑わいます。今年は申年ということで、サルの像などがある神社が人気です。猿田彦大神をお祀りする猿田彦神社もそのひとつ。最寄り駅は太秦天神川駅でしょう。普段は訪れることが少ない神社かもしれません。山ノ内庚申とも呼ばれ、八坂庚申堂、粟田口庚申堂(尊勝院)と並ぶ京洛三庚申に数えられます。
平安時代の初め、伝教大師・最澄が座禅のために霊窟を求めて探して歩いていたところ、猿田彦神が現れてとある地を示ししため、座禅石の傍らに猿田彦神を祀ったことを創祀の始めと伝えます。その後、嵯峨天皇が行幸の際には猿田彦が道案内をしたため、天皇は社殿を建立したのだとか。かつての社殿は安井村松本領境内にあり、そこには山伏修験者の行場として滝もあって、愛宕山に参詣する人びとが滝に打たれていたとも伝わっています。明治18(1885)年に三条通に面した現在地に移され、昭和55(1980)年に社殿が修復されて現在に至っています。
今年は申年ということで、正月三が日の境内は例年以上に賑わっており、普段は間近では見ることができない白いサルの像や、見ざる言わざる聞かざるの三猿の像なども目にすることができました。ご利益としては、中風・神経痛・腰痛などの病気封じがあり、玄関、勝手口、金庫などに吊るす盗難除けの左なわや、手芸上達を願う招福布猿も授与されています。申年にちなんで、足を延ばしてみてもよいでしょう。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2016」監修。特技はお箏の演奏。