14日の京都の雪。毘沙門堂を後にして、洛北にある深泥池(みどろがいけ/みぞろがいけ)の雪景色を眺めに行きました。
深泥池は、14万年前の氷河期から存在しているといわれ、氷河時代の生き残りとされる植物や水生生物が国の天然記念物で、浮島があったりとなかなか面白い場所です。氷河時代の植物が生き残ってこれたのは、川ではなく雨水が流れ込む池だからと考えられています。そのため水温が下がりやすいのか、冬には凍結することがあり、この日も訪れたのは10時半頃でしたが、池は一部が凍っていました。氷河期もこのような雰囲気だったのでしょうか。
池の西側には鞍馬街道が通っています。鞍馬街道は、鞍馬口通から東に進んで出雲路橋を渡り、下鴨中通を北上して深泥池の西に至ります。江戸時代まで、深泥池の西には京都六地蔵のひとつで小野篁(おののたかむら)作と伝わる地蔵尊が祀られていましたが、明治初年の廃仏毀釈の折に、賀茂社の神領であることを理由に、鞍馬口通寺町の上善寺に移されました。
その後、地蔵尊を失った深泥池村は火災にあうなど不幸に見舞われますが、明治28年に縁あって同じ小野篁作で、その昔伊勢の海に漂流していたともいう、2代目の地蔵尊が祀られています。現在の地蔵堂の正面の御詠歌には「たちいでて またたちかえる みぞろ池 とみをゆたかに まもるみ仏」と書かれており、当時の人々の喜びが伝わってきます。安産の御利益でも信仰されているお地蔵様。付近に行かれる際には訪れてみてください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2018」監修。特技はお箏の演奏。