ご案内で常寂光寺を訪れました。苔やカエデの緑が大変美しいお寺です。
まずお知らせから。8月~10月の京都の災害についてお話するコースで参加者様より頂戴した3万円に私からも加えまして計4万円を、北海道地震義援金に2万円、平成30年7月豪雨の広域義援金に1万円、同じく京都府義援金に1万円寄付させていただきました。ご参加ありがとうございました。10月下旬に入れば台風が接近する確率もグッと低くなります。大きなが災害が続いた今年ですが、もう災害が起きることなく過ぎていってほしいです。
嵯峨野にある常寂光寺は、紅葉に勝るとも劣らない素晴らしい緑の輝きに出会うことができるお寺です。桃山時代に創建された日蓮宗のお寺で、拝観受付を済ませてすぐの仁王門が象徴的です。江戸時代に本圀寺の客殿南門を移したもので、室町時代初めに建てられたと伝わります。趣ある茅葺の屋根が深い山中の寺に来たかのような非日常の光景を味わわせてくれます。仁王像は運慶の作と伝わり、若狭の長源寺から移されたものです。
境内は小倉山の中腹にあり坂や階段が多いため、不安な方は避けた方が無難ですが、起伏のある境内だからこそ苔やカエデの緑も立体的になっていて、まさに緑に包まれた感覚となります。来月下旬には境内は赤や黄色の紅葉に包まれ、一年で最も華やかな時期となります。紅葉時期は人が多いですが、それだけ紅葉も美しい場所です。今は仁王門の横のエリアにある舟屋に、苔で御朱印を表現した「モシュ印」と苔で彩られた境内のジオラマ「コケ寺リウム」が展示されています。辺りは秋明菊やホトトギスなど季節の花も綺麗でした。
仁王門から真っすぐ坂を上った場所には本堂が建ち、藤袴の花が咲いて、渡り蝶のアサギマダラが飛んできていました。さらに階段を上ると優美な多宝塔が現れ、趣を感じられます。塔は、桃山時代の建築で国の重要文化財にも指定されています。
さらに登って境内の最上部まで行くと眺めもよくなり、東の風景を一望することができます。階段を上るのは大変ですが、こうしたご褒美も待っていますので頑張ってみてください。遠くには比叡山や東山が望め、手前にはラクダのこぶのように双ヶ丘が見えています。さて、常寂光寺境内の美しい様子は写真でお楽しみください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
第14回京都検定1級(合格率2.2%)に最高得点で合格。気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳」監修。特技はお箏の演奏。