千本釈迦堂で、3日におかめ福節分会があり、舞妓さんの舞踊と木遣音頭が奉納されました。
千本釈迦堂では2月3日に「おかめ福節分会」があり、鬼追いの儀の奉納の前に、木遣音頭と舞妓さんの舞踊の奉納がありました。木遣音頭(きやり音頭:京きやり)は、京都市の無形民俗文化財に指定されている伝統的な歌です。
江戸時代には、「聚楽」「川東」「六条」「城下」などの大工組が、それぞれ特色ある木遣音頭を伝えていたとされますが、現在では二条城界隈の「城下」地域の大工衆を中心にした番匠保存会が、その保存・継承に努めておられます。なお、番匠とは御所務めの大工のことをいいます。
この木遣音頭は、1月2日の釿(ちょうな)始めでも聞くことができますが、なかなか聞くことができない貴重な機会だと思います。千本釈迦堂の本堂は大工の棟梁が妻のおかめの助言を得て無事に完成させたと伝わり、その本堂が幾多の戦乱や大火を潜り抜けて現存しています。千本釈迦堂で木遣音頭が奉納されるのは、こうした由緒にちなんでいるのでしょう。今回も美しい歌声を披露していただけました。
また、上七軒の舞妓さん2名も来られて、舞踊の奉納も行われました。北野天満宮は神楽殿の柱で見通しが悪い部分がありますが、千本釈迦堂の本堂の床は高い位置にあるため、多くの方からよく見えたと思います。優雅な舞は何度眺めてもよいものです。例年に近い形で奉納していただけたことに感謝いたします。
ガイドのご紹介
京都検定1級に5年連続最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。