祇園祭の行事、7月10日に神輿洗のお神輿を迎えるお迎え提灯行列がありました。
神輿洗のお神輿を迎えるのが「お迎え提灯行列」。八坂神社から進んだ一行が奉納するのは、鷺踊と小町踊、そして祇園祭音頭です。子どもたちが登場する行事のため、コロナ禍では中止が続き、今年は4年ぶりの開催となりました。そして市役所前では長らく工事が行われていた関係で、市役所前での奉納は7年ぶりとなりました。奉納の様子は次回のブログでご紹介します。
まず行列が河原町通を通って行く場面を眺めてきました。祇園囃子が先導していきますが、今回は鷹山さんのご奉仕でした。年によって持ち回りで各山鉾町が担当し、昨年196年ぶりに復活をした鷹山さんが務めるのは初めてだと思います。
お迎え提灯行列は子どもたちが多いのが特徴。鷺踊や小町踊、祇園祭音頭、そして馬長(うまおさ)稚児といった主役はすべて子どもたちです。現在の行列は昭和27年から順次復興したものですが、もとは江戸時代に祇園界隈の役者衆が神輿洗の神輿を奇抜な提灯で迎えたのが始まり。
鷺踊は、かつて存在した鵲鉾(かささぎほこ)に付随する鷺舞がルーツです。鷺舞は昭和の段階では絶えていたため、島根県津和野の八坂神社に伝わっていたものを逆輸入し、節や踊りは現代風にアレンジしたもの。2019年には八坂神社で津和野の鷺舞が奉納され、当時のブログに書いていますので、よければご覧下さい。
馬長稚児は、室町時代から隆盛する山鉾以前の祇園祭の花形だったもの。平安時代末期には、貴族がこぞって馬長稚児を出し、その様子は年中行事絵巻にも描かれています。現在の馬長はその絵から復元をしたもので、山鳥の羽を刺し、腰に籠に入った花を身に着けた姿が特徴です。馬長を見て平安時代を思う人は少ないと思いますが、24日の花傘巡行にも馬長稚児は登場しています。今年の馬長稚児は1名のみでしたが、久しぶりにその姿を目にすることができました。
さて、お迎え提灯行列の一行は市役所前での奉納を終えると、手に提灯を持って歩いて行きます。そして八坂神社に戻った後、神輿洗を終えた神輿が八坂神社に帰ってくる際に、西楼門の前で手に提灯を持って並んで、文字通り神輿を迎えます。子どもたちがずらりと並んだ前を勇壮な神輿が通っていくのです。その後、神輿が境内に戻ると、再度の踊りの奉納が行われます。踊りの様子は次回以降でご紹介させていただきます。
ガイドのご紹介
京都検定1級に6年連続最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。
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