一言寺の火渡り

17日の夜に醍醐にある一言寺(いちごんじ)で、柴灯大護摩供の火渡りがありました。

一言寺 火渡り

醍醐寺の南にある一言寺は正式名称を金剛王院といい、醍醐寺の塔頭寺院で別格本山です。平安末期に建礼門院に仕えたことで知られる阿波内侍によって創建されたと伝わり、本尊の千手観音は阿波内侍の念持仏とされ、一言一念に願えると必ず成就すると信仰されて「ただたのめ 佛にうそは なきものぞ 二言(ふたこと)といわぬ 一言寺かな」という御詠歌も伝わっています。その後、衰えますが明治初期に醍醐五門跡のひとつの金剛王院が移されて復興しました。境内には、京都市登録天然記念物のヤマモモの木があることでも知られています。

一言寺 柴灯大護摩供

柴灯大護摩供の火渡りは毎年8月17日夜に行われている恒例行事で、お寺の門前には露店が出て、多くの地元の子どもたちもやってきます。19時から柴灯大護摩供が始まり、私が訪れたのは19時30分過ぎでしたが、すでに炎が立ち上り、夏の暑さもあいまって強烈な熱気を感じました。

一言寺 柴灯大護摩供

20時前から火渡りの準備が進みますが、まだメラメラと炎が上がっている中で、太めの薪を敷いて歩く道を作っていきます。入り口と出口にはたっぷりと塩を撒いていました。他所の火渡りでは、炭を圧縮して炎は消すこともありますが、こちらでは修験者の方が最初に渡るときにもまだ炎がしっかりとあり、文字通り火渡りの様相です。相当に暑そうですが、それを感じさせない様子でスタスタと渡っていきました。

一言寺 火渡り

続いて一般の方の火渡りも始まります。靴と靴下を脱いで裸足で歩きます。まだかなり熱そうではありますが、皆さんどんどんと渡っていきました。お祭りで子どもたちも多く、度胸試しのように子どもたちも渡っていきます。修験者の方が付いてくれますので、比較的安心ではないでしょうか。ただ、足場が薪で不安定なため、必ず踵(かかと)から足を付くようにとの注意があります。

一言寺 火渡り

私は怖がりのため、かなり時間が経ってから挑戦しました。足下は熱くありませんでしたが、両脇から火の粉が飛んでくる様は怖くもありました(熱さは実感がありませんでした)。やはり足場は少し不安定なためご注意ください。ズボンは汚れてもよいもので行くとよいでしょうか。火渡りに並ぶ列は長く続いており、地元の方々は毎年の恒例行事として参加しておられるようです。どなたでも参加できますので、機会がありましたら足を延ばしてみて下さい。

ガイドのご紹介

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京都検定1級に6年連続最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。

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