西日に輝く金閣と方丈の特別公開

夕刻に金閣寺を訪れました。西日に輝く金閣が見事でした。11月12日まで「京都非公開文化財特別公開」で方丈が特別公開されています。

金閣寺

海外からの観光客を中心に賑わう金閣寺。その象徴である金色の舎利殿(金閣)は、一層目は貴族の時代の寝殿造風、二層目は武家造風、最上階の三層目は禅宗の造で、屋根には天下を治める者が正しい政治を行った際に舞い降りるという鳳凰もあしらわれています。金閣はわずか10歳で将軍になった足利義満がたどり着いた、栄華の極みだったのでしょう。

金閣寺

当初は最上階のみが金箔で、二層目は黒漆(くろうるし)だったという説もあります。いずれにせよ、それだけ金は貴重だったといえそうです。残念ながら当時の建物は、70年ほど前の1950年に放火によって焼失し、5年後に多くの方々の寄付を中心に再建されました。

金閣寺

しかし再建から10年を経て、金箔が剥げ出してしまいます。室内と違い、直射日光による紫外線や風雨にさらされる環境は、通常の金箔では長く持たなかったようです。ということで、1986年から当時のお金で約7億4千万円もの金額を投じて金箔の張り替えが行われ、現在の輝きとなりました。実は、焼けてしまう前の金閣の屋根に輝いていた鳳凰は、焼失を免れて現存しています。義満も眺めたであろう鳳凰をいつか見てみたいものですね。

金閣寺

池に浮かぶ大きな島は日本列島を表し、石は各地の大名から寄進を受けたもの。特別名勝に指定されているこの庭園こそが、金閣寺が世界遺産たるゆえんです。ビルや送電線などの近代的な建物も見えず、山々を含めた広い眺めは京都でも随一。ぜひ、お庭の方にもじっくりと目を向けてみてください。

金閣寺

さて、訪れた日は夕刻で、西日に輝く金閣が見事でした。黄金の輝きは世界中で人々を魅了してきましたが、海外の方もこの絶景には感嘆しているようにも見えました。境内入り口ではカエデも赤くなり始めていました。これからの紅葉シーズンにも多くの観光客が訪れそうです。

金閣寺 方丈(通常拝観エリアから撮影)

11月12日までは「京都非公開文化財特別公開」で方丈が特別公開されています。方丈内部には立ち入れませんが、縁側から聖観世音菩薩像、夢窓国師像、足利義満像などにも参拝することができます。狩野外記(かのうげき:寿石敦信か)による水墨画の襖絵(許由・巣父、虎渓三笑図など)や、15年ほど前に森田りえ子画伯や石踊達哉画伯によって色彩豊かな春夏秋冬の花々が描かれた杉戸絵(デジタル複製)を目に出来ます。また方丈前の庭園は相阿弥作庭と伝わり、後水尾天皇お手植えという侘助椿が植わっています。なお、奥にある書院は非公開でした。料金は金閣の通常拝観とは別に1000円です。受付場所は通常拝観の受付隣の唐門です。

金閣寺 方丈庭園(通常拝観エリアから撮影)

ガイドのご紹介

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京都検定1級に6年連続の最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都(BS11)「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。

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