白峯神宮の蹴鞠奉納

4月14日に白峯神宮で春季例大祭・淳仁天皇祭があり、蹴鞠の奉納が行われました。

白峯神宮 蹴鞠奉納

白峯神宮は、幕末の孝明天皇が、平安時代末期の保元の乱に敗れて四国・讃岐国で亡くなられた崇徳天皇の霊を都へとお戻しし慰めるために創建しようとした神社です。孝明天皇の生前には叶わず、子の明治天皇が遺志を引き継いで創建されました。明治6年には、淡路島で亡くなられた淳仁天皇の霊も祀られています。

白峯神宮 蹴鞠奉納

境内は、和歌・蹴鞠の家である「飛鳥井家」の邸宅地跡で、境内東の地主社内に蹴鞠ゆかりの地として鞠の精霊を祀る「精大明神社」があることから、蹴鞠をはじめとする球技全般の上達にご利益があるとして、部活動に励む修学旅行生をはじめ、球技に携わる多くの方々から信仰を集めています。

白峯神宮 蹴鞠奉納

14日には春季例大祭・淳仁天皇祭があり、11時半ころから蹴鞠奉納が行われました。京都各地で蹴鞠を奉納して下さるのは、白峯神宮の蹴鞠(しゅうきく)保存会の皆様です。日ごろの練習があってこその見事な足技には感心するばかりです。この日は風が弱かったためかラリーが長く続きました。

白峯神宮 蹴鞠奉納

蹴鞠は、鹿皮で作られた鞠を皮製の沓(くつ)で蹴り上げて、地面に落とさないようにパスを続ける遊びで、勝負を競うものではなく、いかに相手に取りやすい球を蹴ることができるかが重要視されています。優雅なイメージがある一方で、実際に見てみるとアクロバティックな印象を受けるかもしれません。

白峯神宮 蹴鞠奉納

蹴鞠は、およそ1400年前に中国から伝わり、日本では独自に発展を重ねて、天皇・貴族・武家から広く民衆に至るまで楽しまれました。しかし、文明開化の明治の世へと変わり、西洋の風習へと移行する流れの中、蹴鞠をはじめとする日本古来の風習は失われつつありました。そこで、明治天皇によって蹴鞠を保存する命が下り、明治36年に蹴鞠保存会が創立され、現在にその技が継承されています。

白峯神宮では、例年天気がよければこの蹴鞠の奉納後に一般の方も「蹴鞠体験」ができる機会があります。今回は久しぶりにチャレンジさせて頂きましたが、実際にやってみると、なかなか上手く蹴るのは難しいです。それでも何回か蹴らせていただけ、貴重な体験ができました。機会があればぜひ参加をしてみて下さい。

白峯神宮 蹴鞠体験

ガイドのご紹介 吉村 晋弥

京都検定1級に7年連続の最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都(BS11)「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。

散策・講座のお知らせ

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【散策受付中!】
5月11日(土)13時30分~16時頃
新スポット誕生!新緑が輝く建仁寺の西来院+三条駅界隈へ
5月14日(火)13時30分~16時頃
門跡寺院の妙法院!五月会の堂内特別公開へ!
5月15日(水)9時半~12時頃
御苑周辺で眺める優美な「葵祭」 吉村とっておきの見学場所へ

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奥深い京都へのいざない!マニアック京都講座
その8 「ゴールデンウィークの京都を楽しむ」

5月:京都 惟喬親王ゆかりの地、6月:愛宕神社と愛宕山

【散策受付予定】
5月28日(火)午後 → 行き先未定

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