鞍馬の火祭 2024年 神事ぶれと行き交う松明

10月22日に、鞍馬の火祭が行われました。今年は縁があって「雍州路」さんから間近で火祭を目にすることができました。

鞍馬の火祭

鞍馬の火祭は見ごたえのある勇壮な祭りである一方、その混雑ぶりは京都の祭事でも群を抜いています(2024年は比較的空いていました)。10月22日は時代祭もあるため、両方を見ようとする観光客らで叡山電車の出町柳駅は大混雑(近年は海外からの方も多いです)。帰りも鞍馬駅からの電車に乗るために混雑が著しい時間帯もあります。現地も警察官が多数動員されて非常に物々しい雰囲気。道は狭く、思うようにはまず動けませんので、ストレスがたまる方も多いことでしょう。予め十分な覚悟と広い心を持って見に行って下さい。

鞍馬の火祭

鞍馬の火祭では、基本的には街道で立ち止まることは許されず、場所取りもできません。警官の誘導に沿って「道を歩き続ける」しかなく、その途中で運よく目の前を松明が通れば見られるというもの。運が悪いとひたすら混雑にもまれて帰ることになります。電車や人出は、神輿が下りて規制が解除されてくる22時過ぎには空いてきますので、無理に帰らずその時間までいるつもりで来られる方がよいかもしれません。

鞍馬の火祭

さて、鞍馬の火祭は「由岐(ゆき)神社」の祭礼。平安時代の中ごろ朱雀天皇の折、世が乱れ、反乱や大地震などの天変地異が次々に起こりました。そうした災いを鎮めるために、御所内に祀られていた神様を御所から見て北(鬼門)の方向にある鞍馬の地にお祀りすることになります。宮中から遷す際には鴨川の葦で松明を作り、道中にはかがり火をたいて照らし、鞍馬へとお迎えしたと伝わります。神が現れる時間帯は夜の暗闇が基本で、現在の鞍馬の火祭はこの神迎えの行列を再現する意味合いを持って、夜に行われます。

鞍馬の火祭

18時になると「神事(じんじ)ぶれ」と呼ばれる少年が「神事にまいらっしゃ~れ~」との掛け声で街道を進み、家々の前の松明に火が入って、神事が始まります。今回は縁があって鞍馬寺の山門下にある「雍州路」さんで見ることができました(有料)。ちょうど神輿が置かれている場所の前で、通常は立ち入れない場所から貴重な祭りの様子を目にすることができました。鞍馬寺の山門下に安置された神輿の前からも「神事(じんじ)ぶれ」の少年が出発をしていきました。

鞍馬の火祭

やがて子どもたちの松明が街道を行き交います。松明は子どもたちの「とっくり」と呼ばれる小さなサイズから大人が担ぐ100㎏クラスの大松明(甲斐性松明)まで、だんだんと大きくなっていきます。「さいれいや さいりょう(祭礼や最良または祭礼や祭礼)」の掛け声も響き渡り、お祭りの雰囲気が高まって行きます。

鞍馬の火祭

今回は見ていませんが、20時になると剣鉾や鉦の音色とともに大松明が御旅所に進んできます。大松明は御旅所の中で何本も立てられ、祭りの盛り上がりが最高潮に達します。近くだと炎の熱も大いに感じられるでしょう。独特の雰囲気の中でしめ縄が切られます。

鞍馬の火祭 御旅所

御旅所でのしめ縄切りが終わると、大松明らはさらに北にある鞍馬寺の山門下の階段へと進んでいき、大変勇壮なハイライトを迎えます。今年見ることができた「雍州路」は山門下の階段の上にありますが、階段の途中に張り出した仮設の足場を設けて下さっており、目の前で松明の熱気のすごい迫力を見ることができました。通常の観光客は山門から離れた場所で警察の規制線が引かれて身動きが取れなくなるため、山門下での松明や、その後神輿が階段を降りる際に行われる「チョッペン」を見るのは至難の業です。個人的には通算7回目の鞍馬の火祭でしたが、雍州路さんはまさに特等席といえる場所でした。圧巻の山門下の階段での松明や「チョッペン」の様子は次回以降のブログで掲載します。

ガイドのご紹介 吉村 晋弥

京都検定1級に7年連続の最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都(BS11)「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。

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