精華町にある祝園神社(ほうそのじんじゃ)の居籠祭(いごもりまつり)。1月16日に行われた「御田の儀(おんだのぎ)」の大松明をご紹介します。

祝園神社の居籠祭(いごもりまつり)は毎年1月最初の申の日から3日間行われ、2025年は1月15日~17日の日程でした。神社や祭りの由来については、以前のブログにまとめています。初日は非公開で行われる「風呂の井の儀」で、宮司と氏子代表者の二人のみで行う神事です。風呂の井と呼ばれる井戸において、水を汲み上げ、八百万の神に降臨してもらい、居籠祭をこれから行う旨をお願いするのだそうです。

2日目(今年は1月16日)は「御田の儀(おんだのぎ)」。夜19時過ぎに「大松明(おおたいまつ)」が灯されると、宮司以下の行列が大松明とともに祝園神社から出発し、15分ほど歩いた先にある「幸の森(こうのもり)」と呼ばれる、現在は田んぼの中にある場所へと向かって、そこで一般には非公開の神事「御田の儀」が行われます。

この夜の祝園神社では、名物の「とうがらし汁」が100円で振舞われました。私は辛い物が苦手のため口にしませんでしたが、かなり辛く、くせになる辛さだそうです。近年はコロナ禍もあり出されていなかったそうですが、今年から復活したそうです。体が温まり、風邪をひかなくなるとされます。

大松明は長さ約3.5m、直径60㎝、重さは80~90kgあるそうで、夜19時になると神事に続いて拝殿内で点火されます。天井には金属製の天板があり、これがないと拝殿自体が燃え上がってしまうのではないかと思うほどの激しい炎が上がります。いちおう浄火のため決して燃え移ることはないと言われているそうです。

見ている方も相当な熱気ですし、火の粉が飛んでくることもあるほか、灰が降ってきます。火の粉で服に穴が空いたり、灰や煙でにおいがついてしまうことも想定し、服装や持ち物にはあらかじめご注意下さい。大松明は12か所が縄でくくられており、点火後、縄の二本目が燃えるまで拝殿で待ちます。その間、拝殿内は強い熱気に包まれ、松明は時折回されながら、徐々に短くなっていきます。

その後、宮司が本殿で祝詞(のりと)をあげている間に、大松明は拝殿から外に運びされて境内に立てられます。しばらく宮司の準備が整うまで待ちますが、暗がりの中で男たちが松明を支え、火の粉が落ちる様子が印象的でした。

そして宮司が白い布(衣笠)で四方を覆われて姿が隠され、消灯された暗闇の境内を鈴を鳴らしながら進み、幸の森(こうのもり)に向けて神社を出ていきます。この出発の際にはフラッシュをたかないようにと注意があります。地元の方の拍手で神社を出ていきました。

神社を出てからは集落内の道を抜けて進んでいきますが、道中には事前に砂がまかれており、夜でもその砂が目立ちました。衣笠で四方を覆われた中での宮司による鈴の音が響き、何とも言えない神聖な雰囲気を作り出しています。宮司はどうしても足元しか見えないため、特に幸の森へのあぜ道を進む際には緊張をされるそうです。

大松明は徐々に短くなり、約15分で幸の森に到着します。現在は森ではなく田んぼの中といった場所。道のりの途中では街灯があまりない場所も通りますので、足元には十分にご注意ください。幸の森では、五穀豊穣を祈る神事「御田の儀」が行われるそうですが、神事の場面は一般公開されておらず、一般の見学者は手前の交通量の多い道までで、幸の森までは200mほどの場所で離れて見守ることになります。

やがて神事が終わると、神社へと戻りますが、来た時とは違う道を通って帰ります。大松明や宮司が神社に戻ったのは20時20分過ぎでした。神社に戻ると拝殿にて「おんだ」と呼ばれる五穀の種が氏子各地区の代表者に渡されます(「御田の儀」でも五穀の種を蒔いているそうです)。この種は氏子諸人に分けられ、生きる力と幸福をもたらすとして、農家では春の苗代へ蒔き、商家では芽が出て繫栄するお守りとして、家に持ち帰るそうです。2日目の神事はこれで終了。時間は20時30分頃になっていました。3日目の「綱曳きの儀」も見てきましたので、次回以降のブログでご紹介します。
ガイドのご紹介 吉村 晋弥

京都検定1級に8年連続の最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。BS朝日「あなたの知らない京都旅」、KBS京都(BS11)「京都浪漫」出演。特技はお箏の演奏。
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