8月が終わり、9月へと入ろうとしています。今年は既に旧暦の8月に入り、別名「竹の春」呼ばれる時期へと移ってきています。
記録的な天候不順となった8月。最終日も雨の予報が出ていましたが、京都では予報が外れました。その分、少しでも日差しが降り注いで、植物が平常に戻ればと思います。最新の1か月予報では、9月の近畿地方は、気温と日照は平年並みの可能性が高く、降水量は平年並みか少ない予想となっています。天候不順からは脱出できそうで、あとは大きな台風が来ないことを願うばかりです。
さて、今年は旧暦の暦の巡りが例年より少し早く、すでに8月25日に旧暦の8月1日を迎えました。旧暦8月15日の月が「中秋の名月」のですが、今年は早くも9月8日にやってきます。これは2051年までの期間では最も早い日付。10月にある「十三夜」も今年は10月6日、さらに10月8日には皆既月食も待っています。秋は月の季節。昨日、ご案内を二条駅で終えるころにふと西の空を見ると、いわゆる三日月が綺麗に見えていました(正確には六日月ですが)。秋の月は太陽との距離の関係で三日月は立っています。反対に春の三日月は寝た形をしており、昔の人は月を盃に見立てて「春三日月には酒がよく入り、秋三日月は酒がこぼれる」と興じていました。三日月の形にも「秋」を感じる頃になりました。
今日の本題(?)の「竹の春」という言葉。「秋」はもの寂しさから人生の斜陽に例えられるのかもしれませんが、実はそうとも限りません。「竹の春」は旧暦の8月を表す別名で、秋が深まりゆく時期に、竹は盛んに新葉を出します。若竹が育つ一方でまだ日光は十分にあり、竹は春を謳歌しているような瑞々しい緑を見せてくれます。反対に「竹の秋」は旧暦の3月の別名で、タケノコに栄養を取られてしまう分、葉は茶色くなり散っていきます。竹は、春と秋が逆転しているかのような面白い植物です。京都は嵯峨野をはじめ各地で美しい竹林を目にできますので、散策の際には初秋の風情のみならず「竹の春」も楽しんでみて下さい。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。