昨日はずいき神輿をご紹介したずいき祭。「ずいき」とは芋の茎のことで、ずいきで屋根が飾られた「ずいき(瑞饋)神輿」が登場することからそう呼ばれています。平安時代にこの付近一帯の西ノ京の人々が五穀豊穣を感謝し、新しく取れた穀物や野菜などを飾り付け、道真公の神前にささげたのがお祭りの始まり。400年前の江戸時代初め、1607年にずいき神輿の形になり、1802年には現在と同じ形の神輿になりました。明治維新の改革により祭りは中止となってしまいますが、地元の有志の力で15年後に復活を果たして現在に至っています。
神幸祭は、13時に北野天満宮の一の鳥居を出発して、円町駅近くの西ノ京にある御旅所へと向かって行きます。なかなか立派な行列で、3基の鳳輦(ほうれん)や八乙女、稚児裃など、可愛い子どもたちも行列に参加しています。ただ、4日午後に行われる還幸祭の時には牛車がありますが、神幸列にはありません。また、ずいき神輿も神幸祭では巡行せず、御旅所に登場しています。ずいき祭りは、大宰府で道真が刻んだ像を北野天満宮に移したことに由来していますので、御旅所から天満宮に戻る還幸祭は、すなわち道真の霊が大宰府から北野の地へと訪れる場面を再現する列とされ、重要視されています。
ずいき祭りは、神幸祭もアマチュアカメラマンが多いような印象を受けます。4日の還幸祭の列は、花街の上七軒を通るため、罵声が怒号が飛び、観光客にはお見せできない光景となることもあるのでご注意を。神幸列は、西大路通を通って、西ノ京の氏子圏を大周りしながら、御旅所近くの京都信用金庫で休憩をしてから御旅所に入っていきます。子どもにとってはなかなかの距離ではありますが、蒸し暑さの中で、一生懸命に頑張ってくれたのではと思います。鳳輦は4日午前中まで御旅所に鎮座をしています。そして御旅所には昨日ご紹介をした「ずいき神輿」が登場しています。露店も出て賑わっていますので、祭りの期間中に訪れてみてください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2016」監修。特技はお箏の演奏。