15日に、智積院で青葉まつりが行われ、護摩供養がありました。
智積院の青葉まつりは、真言宗の宗祖・弘法大師空海と中興の祖・興教大師覚鑁(かくばん)の誕生を祝う法要です。空海は宝亀5(774)年6月15日に生まれ、中興の祖・覚鑁の生誕日も6月17日とほぼ同じ頃です。さらに青葉が生き生きと美しい時期であるため、その慶賀法要を「青葉まつり」と呼んでいます。
午前10時前に、本坊から金堂に向けて修験者やお坊さんによる「お練り行列」が進んで行きます。金堂での法要の後は、11時頃から護摩供養(柴灯大護摩供)も行われます。本格的な作法で行われますので、火が灯されるまでは40分から50分間儀式が続きます。見られる際は時間にご注意ください。火が入ると一機に燃え広がって辺りに煙が広がっていきました。
もうもうと煙が上がる様子は壮観で、修験者の方が授与品のお加持をされます。さらに火勢が落ち着いてくるころには、参列者のカバンなどの持ち物もお加持をしていただけます。私もカバンをしていただきました。煙を避けようと帰ってしまわれる方も多いですが、せっかくですのでしばらく我慢をしていただくとよいかもしれません。
青葉まつりの境内では「お堂巡り」も行われています。智積院の境内は広く、その中に大師堂、金堂、密厳堂(みつごんどう)、講堂、明王殿が点在しています。それぞれ、弘法大師、大日如来、興教大師、阿弥陀如来、不動明王が祀られていて、順番に参拝しながら御朱印を集め、全てを巡るとお不動様の「身代わり札」を授与して頂けます。こちらは9時~16時まで行われています。
そして、多くの方が楽しみにしているのが、庭園や収蔵庫の無料拝観。利休好みと伝わる名勝庭園を自由に見ることができます。今年はまだ少しサツキの花も残ってくれていました。池泉観賞式のお庭は、中国の廬山(ろざん)をかたどった大きな築山とサツキの刈り込みが印象的。池は建物の下に入りこみ、寝殿造りの釣殿のようなイメージも与えてくれます。多くの方が縁側に座り、静かに心行くまでお庭を眺めていました。また、智積院はアジサイの名所でもあります。金堂の周りを覆うように咲いていますので、裏の方にも回ってみるのがおすすめ。青葉まつりは15日のみですが、アジサイは今月末にかけて見頃となりますので、足を延ばしてみてください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2017」監修。特技はお箏の演奏。