大原の三千院、初秋には秋海棠(しゅうかいどう)が庭園を飾り、苔はいつ訪れても見事です。
三千院は四季折々にたいへん美しいお寺です。春は桜や石楠花、梅雨時には紫陽花が綺麗で、秋には紅葉、冬には雪景色と、それぞれの時期に京都でも一級品の光景を見せてくれます。市街地から離れている分、私もしょっちゅう訪れることができませんので、毎回ワクワクしながら中に入っていくお寺でもあります。
客殿の南に広がる聚碧園(しゅうへきえん)は、庭園を縁側に座って眺めることができ人気。今の時期はピンクの秋海棠(しゅうかいどう)が彩を加えます。こうして時期によって咲く花が移り変わっていくので、いろいろな季節に訪れてみたくなります。
また、宸殿南側の有清園は、いつ訪れても苔がきれい。京都で苔といえば洛西の苔寺(西芳寺)が有名ですが、三千院の苔の美しさも引けを取りません。特に雨の後は艶めきを増して最高です。その中に佇むのは往生極楽院。三千院自身は明治になって現在地に移ってきましたが、往生極楽院はおよそ860年前(1148年)からこの地に立っているとされます。往生極楽院は、一人の女性(真如房尼)が極楽浄土への祈りをささげるために建立したとされ、堂内では阿弥陀三尊像が迎えてくださいます。
三千院の境内は、金色不動堂などさらに奥へと続き、変化に富んだ庭園を散策することができます。京都市街地よりも空気が涼しく、季節の進みも早く感じる大原。9月もおすすめです。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2017」監修。特技はお箏の演奏。