今年も仁和寺の御室桜が見頃となってきました。見頃は短いため、お早めに訪れてみて下さい。
「京都の桜の最後」といえば、真っ先に仁和寺が思い浮かぶ方もおられるかもしれません。いよいよ見頃となり、週末が花も人でもピークとなりそうです。御室桜は、仁和寺境内にある桜の総称で、特定の種類ではありませんが、境内の中門を入って左側に広がる桜苑は「御室有明」という特殊な種類で埋まり、この桜が一般的には御室桜と呼ばれています。この御室有明は、背が高くならないのが特徴。桜の下に粘土質の土壌があり土中に酸素や栄養分が少なく、桜が根をのばせない要因の一つにはなっているそうです。
仁和寺の桜は、江戸時代から吉野の桜に優るとも劣らないと人気を博し「わたしゃお多福 御室の桜 はなが低くても 人が好く」と歌われました。「はな(花・鼻)」が掛け言葉になっています。満開の桜は、まさに桜の雲海と呼ぶにふさわしく、その雲の中を泳ぐように散策し、ひょっこりと顔を出す五重塔を探すのが楽しみの一つ。分かりやすい場所には自然と人だかりができますが、腕のあるカメラマンは「なるほど」という場所から撮っていきます。自身のセンスに合う場所を探して歩くのも面白いでしょう。今年は五重塔が修理に入り、一部が覆いに囲われていますのでご注意下さい。
写真という意味では、光の当たり具合からして午後の方がおススメではあります。ただ、人出は多くなるので悩ましいところですね。いずれにしても、満開時の御室桜は大変美しい写真をあちらこちらで撮ることができ、たくさんの人の笑顔にも出会えますので、人の多さには目をつむって、是非満開の間に足を延ばしてみて下さい。見頃は短く、19日に雨の降る恐れもあるためその前までがよいでしょう。また、江戸時代の御室桜は「八重桜」が主でしたが、現在は一重がほとんど。それでも1割程度「八重桜」も残されていますので、探してみるのも面白いです。
「京ごよみ手帳2019」訂正のお知らせ
・P39の三十三間堂「楊枝のお加持と大的大会」の日程が1月14日となっていますが、正しくは「1月13日」です。
・P225の「京都御所」のデータで、2番の休みは「月曜(祝日の場合は翌日)・年末年始・臨時休あり」です。
ご迷惑をおかけいたします。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
第15回・第14回京都検定1級(合格率2.2%)に2年連続の最高得点で合格。気象予報士として10年以上。京都検定マイスター。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳」監修。特技はお箏の演奏。