1951年以降で最も早い梅雨入りとなった近畿地方。20日夜から21日にかけて大雨となりました。
前線の通過に伴って京阪神から琵琶湖方面を中心に、近畿地方では大雨となりました。京都では20日の24時間雨量の最大が120mm、大阪では191.5mmにも達し、1891年以降、5月の24時間雨量としては1位を記録しています。大阪の数字は6月の記録と比べても2位相当、7月の記録と比べても3位相当で、過去の梅雨期間の24時間雨量としても記録的な数字です。京都市内では岩倉から鞍馬方面で、土砂災害警戒のための避難指示が出されました。特に鞍馬方面は2018年の台風によって木が根こそぎ倒れ、急斜面の土がむき出しになっている箇所があり、大雨による土砂崩れのリスクは高い状態となっていると思われます。昨年は叡電沿いで大規模な土砂崩れが起きて、いまだ復旧できていません。
鴨川も増水し、カップルが座る高水敷が浸水しました。朝の通勤通学時間帯に濁流の鴨川を目にして驚いた方もおられるのではないでしょうか。橋の下のように高水敷が低くなっている場所は特に沈みやすく、私の感覚では荒神橋の水位観測点で氾濫注意水位の1.60mを超えると高水敷が沈むイメージ。今回は最大で1.82mまで上昇しました。水位については「川の防災情報」がリニューアルされて使いやすいです。また、土砂災害や浸水危険度の情報は、気象庁ホームページの「キキクル(危険度分布)」でわかりますので、大雨の際にはぜひご確認下さい。
鴨川が本当に怖いのは「水位の急上場」があることです。2004年8月6日の大雨の時には、荒神橋の観測点でわずか10分間で40㎝以上、1時間で135㎝も上昇しました。大雨予報が出ている時に、飛び石を渡るのも危険な時があります。以前には五山送り火の夜に、大雨・洪水警報が発表されているにも関わらず、中州に居続けるカメラマンが多数いたこともありましたが、これからの時期、大雨の情報が出ている際は、河川水位の急上昇にも注意が必要です。まだまだ5月で、出水期は10月いっぱいと先は長いです。何とか被害が少なく、ほどよい雨の恵みがもたらされてくれればと願っています。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
京都検定1級に4年連続最高得点で合格(第14回~第17回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2020」監修。特技はお箏の演奏。
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