知恩院近くの得浄明院では、早咲きのアヤメ「一初(いちはつ)」が見られます。また、真っ暗闇の中を歩く「戒壇めぐり」も行えます。
得浄明院は、明治27年(1894)に信州善光寺の京都別院として建立されたお寺で、建物の形状は大小の差こそあれ同じだそうです。当時、信州までお参りするのは大変であろうとしてこの地に創建されました。
本堂下には長野善光寺と同じ戒壇めぐりがあり、暗闇を歩く中でご本尊の阿弥陀様と繋がっているという「鍵」に触ると結縁ができ、ご利益が得られ罪がはらわれると言われています。本場の善光寺さんは、人が大勢いて前の人にぶつかるのでまだ怖くないのですが、ここは割と人が少ないので、非常に恐ろしいです。パニックにならないよう、壁の手を頼りに落ち着いて前に進んでいってください。
一初(いちはつ)はアヤメの中でも最も早く咲く品種です。火災や台風などから家を守る厄除けの花として、昔はかやぶき屋根の頂上部分に植えられていました。
堂内の三公像は、三体の塑像の中央が本田善光(ほんだ よしみつ)公で阿弥陀様を大阪から長野へお連れし、善光寺を創建した人物。両脇の像は奥さんと息子の像です。よしみつ(善光)から、善光寺の名が取られています。
今年は、春の非公開文化財特別公開と一緒になっていて、得浄明院のみだと500円。非公開文化財も入れると800円になります。一初と戒壇めぐりを楽しむだけなら500円の方で十分です。非公開文化財の公開や観光バスでのツアーも組まれているようで、例年よりかなり人は多かったです。公開は5月13日まで行われています。
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