京都の雹(ひょう)


今日17日は、地上天気図は高気圧に覆われて晴れそうな気圧配置ですが、上空には寒気が入り、あちこちで雷雲が発生しました。京都では、短い時間ですが雹(ひょう)や霰(あられ)も降りました。
ひょうは直径が5mm以上の氷の塊を言います。5mm未満はあられと言います。あられは雪の降る前後に丸い雪の粒(雪あられ)として見かけることが多いものです。ちなみに初雪は、雪はもちろん霙(みぞれ)でもOKですが、「雪あられ」では初雪と判定されません。昔、白い雪あられを見て「初雪!」と思っていたら判定されないことを知り、がっかりしたことがあります。確かに大きさでしか違いのない「あられ」と「ひょう」を雪に含んでしまうと、夏でも雪が降ることになってしまいます。
さて、ひょうは5月に観測されることが最も多い現象です。古いデータですが、京都では年に2-3日しか観測されません(全国的には福島の内陸から長野~山梨、北関東で多い傾向にあります)。初夏に多い理由は、真夏はひょうが地上に届く前に溶けてしまうことと、初夏は寒暖の差が大きく強い上昇気流でひょうが出来やすいこともあるでしょう。また、一日の中では、地上と上空との気温の差が大きくなる午後2時頃に最も多い傾向にあります。
今回は1cm足らずの小さいものでしたが、粒が大きいと農業に与える被害は甚大なものとなります。概ね3cm前後のものが一般的ですが、過去には約30cmもの巨大なものが日本でも降ったことがあるとのこと。空からは降ってくるスピードは、2cmの大きさで時速約60km、5cmの大きさで時速100kmを超える速さ。降る時間は、通常はせいぜい10分以内ですが、長い時には40分~50分も降ったこともあるそうです。ビニールハウスやガラス温室への被害や、傷がつくことでの商品価値の低下は想像以上に大きなものです。
また、時には人がけがをしたり亡くなることもあります。事前の対策が取りづらいものですので、雷が鳴っているときは安全な建物内に避難するほうが無難です。
さて、明日18日の地上天気図も今日と似ていますが、上空の寒気は抜けて行くため気象台の予報は降水確率0%です。散策日和となるでしょう。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として9年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから

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