台風6号接近!


台風6号が20日にかけて京都にも接近します。特徴は動きが遅いことです。

進路

台風は19日18時現在、四国のすぐ南にあって今後室戸岬付近に上陸ないし、かすめて行く予報が気象庁から出されています。その後は紀伊半島へ上陸ないしかすめて、徐々に南海上へ離れて行きます。進路は最新の台風情報をご確認ください。
あまりアナウンスはされませんが、台風の中心は陸地を避けようとする傾向があります。机の上で台風に見立てたコマを回し、陸地に見立てた薄い紙を周りに置くと、コマはなかなか紙の上に乗っていかないのと同じです。ですので、台風は陸地に近づいてきても沖合を進んだり、半島をかすめたり海峡へ進むことも見られます(もちろんそうでないことも多くあります)。今回も上陸するかしないかはまだ分かりません。
今回の台風の特徴は動きが遅いこと。たいていは偏西風が日本付近では吹いているため、それに乗って加速していくことが多いのですが、夏場は偏西風は北上して弱まっており、「迷走台風」といった言葉があるように、動きが遅く進路も定まらないこともあります。今回は進路は比較的見えていますが、速度は遅いため同じような場所で強い雨や風が続きます。

長時間続く大雨

台風の前側で南寄りの風が山にぶつかるところが特に危険で、紀伊半島の東側、愛知県と岐阜県の山間部、静岡県などでは長い時間雨が降り続き、すでに記録的な雨量となっているところもあります。関東でも南寄りの湿った風の影響で、短時間の強い雨が降っています。台風の中心の後ろ側に入ってしまえば風向きが北寄りに変わるため、雨は止んできます。それまでなんとか耐えてほしいと願います。
テレビでは1000mmの雨量と言っていますが、これはとんでもない雨量です。例えば京都の「月間」雨量の過去130年の記録の1位は630mm弱です。それをはるかにしのぐ量の雨が、わずが数日で降るのですから信じられない量なのです。一般的に300mmを超えると大規模な土砂災害が発生してもおかしくない雨量です。なんとか被害が最小限で収まることを願うばかりです。

大雨時に参考となるもの

以下、大雨時に参考となるページへのリンクを記載します。

  • 気象庁 警報・注意報 → 大雨の見通しや土砂災害警戒情報などが分かります。ただし、これも人間が出しているので大雨が降り出してから出ることもよくあります。出ていないから安心ではなく、必ず「実況」を重視して下さい。
  • 川の防災情報 → 河川水位とアメダスに載っていない雨量も分かります。川が心配な時は現地へ見に行くのではなく、まずこれを見ましょう。避難判断水位なども分かりやすく出ています。だだし、水位は必ず「10分毎」で見て下さい。基本設定が「1時間毎」になっているという重大な欠陥があります。ほんの10分で大幅に水位が上がることもよくあります。
  • 避難勧告 → 避難勧告は市のホームページに記載されます。問い合わせをすればメールで届けてもらうこともできます。
京都への影響

京都市内では、南風の流れが紀伊山地の風下に入っているため、山からの下降気流で雨雲が弱まっています。ただ再び山にぶつかって上昇する北部山間部では注意が必要です。また、風も京都としては強まっており、19時で7m/sを記録しています。最大では20.0m/sの突風も吹いており、傘を差しながら自転車に乗るなどは不意を突かれることもあり危険です。20m/sの風の風圧は、1平方メートルに20kgにもなり、風圧は風速の2乗に比例して強くなっていきます。
18時発表の進路予想では、京都への最接近時刻は20日の午前中から昼過ぎとなりそうです。暴風域に入る可能性もありますので、実際の風の吹き方には注意をお願いします。通勤時間帯には交通機関の乱れも予想されますので、早めに起きて情報収集をされたり、止まっている時のシュミレーションなどを行っておくとよいでしょう。停電も起こる可能性がありますので、懐中電灯などの場所は確認しておきましょう。
また、突発的な大雨にも注意が必要で、実況を見ながら慌てずに判断をすることが肝要です。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として9年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。散策メニューはこちらから

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