八坂神社・平安神宮・廬山寺・・・まだまだある節分行事


さて、この数日間、ユニークな節分行事を書いてきましたが、まだまだ京都には節分行事がたくさんあります。

節分行事は2日~4日に行われ、特に多くが集中するのが3日です。今年は分刻みのスケジュールであちこちの行事を回ってきましたが、やはり同時に行われているものがたくさんあって、泣く泣く見送ったところもあります。全てを見ようとすると10年から15年はかかるでしょう(笑)それでも今回はかなりの場所を訪れましたので、まとめて紹介していきます。

まず、八坂神社。こちらでは祇園などの花街(かがい)が近いこともあって、舞妓さんによる舞踊の奉納や豆まきが行われます。2日の午後に宮川町の舞妓さんによるものを見てきました。舞妓さんによる舞や豆撒きは本殿に向かって行われます。この日は雪の舞う大変寒い一日でしたが、優雅な舞は寒さを忘れさせてくれます。豆まきの様子などは動画もありますのでご覧ください。なお、豆まきは2日・3日と計4回あり、奉納する花街やその時々によって参加される舞妓さんの着物も変わるようです。運がよければ「節分お化け」で扮装した舞妓さんにも出会えるようですよ。

壬生寺では、周辺に露店も並び、炮烙(ほうらく)の奉納が盛んに行われました。午後には壬生狂言も行われています。炮烙は素焼きの皿のようなもので、これに氏名・ 年齢・性別を書いて奉納します。名前等を書くことで、炮烙に身の穢れを移すと信じられています。こうして奉納されたたくさんの炮烙は、4月の壬生狂言の演目、炮烙割りで派手に割られて行きます。

平安神宮では、3日の午後に節分行事が行われます。鬼の舞や豆まきは15時~ですが、その前の14時~は大儺之儀(だいなのぎ)が行われます。この神事はかつて平安時代の宮中で行われていた行事を、京都大学の教授が時代考証をされ、衣装や道具までを忠実に再現したものです。平安神宮の社殿は、平安京の朝堂院の建物を模していますので、相応しい演出だと言えるでしょう。大儺之儀での注目は、四つ目の方相氏(ほうそうし)。吉田神社の鬼やらいでも紹介しましたね。方相氏は中国伝来の呪術師で、金色の目を4つもった面をかぶり、神通力のある矛と盾を持って矛を地面に打ち鳴らし、大きな声を出しながら宮中を厄除けのために歩いたそうです。4つの目は、人間の目には見えない邪気を見つけ出すといわれています。

大儺之儀では、拝殿前の斎場でまず儀式が行われます。独特な歩き方をする陰陽師も見どころの一つ。方相氏は、矛と盾を打ちならして「鬼やろう」と言いながら斎場を三周ほどします。その後、応天門へと向かい、門でも同じく邪気を払う儀式を行います。矢も射られて、やはり桃の弓が使われています。大儺之儀は以上ですが、15時からは鬼が登場しての豆まきも行われて盛り上がります。広い境内をいっぱいに使った本格的な儀式ですので、見物される方も是非動きながら見てみて下さい。今回は、方相氏が矛と盾を打つ様子の動画もあります。

廬山寺も節分祭は有名で、例年のように今年も境内からあふれんばかりの人出でした。廬山寺では「鬼のお加持」として、体の悪いところを鬼に告げると、剣で厄払いの祈祷をしてくれる行事もあります。また鬼の法楽として鬼が踊るユニークな場面も見ることができます。廬山寺で撒かれたり売られている節分豆は蓬莱豆と呼ばれ、大豆の外側を砂糖で固めた紅白の豆です。自らも鬼となり、また鬼をはらった元三大師が魔滅大師(豆大師)といわれたことにちなむそうで、紅白それぞれを食べると、6年寿命が延びる(1粒3年延びる)とされています。ちなみにこれ、砂糖がかなり固いので、飴のような味わいです。

以前、懸想文を紹介した須賀神社。豆まきは2日15時から行われました。豆まきの前に武道が奉納され、見事な剣儀や吹き矢を見せて頂けました。すごいと思ったのは木刀で竹を割る技。竹は、ナイフを紙の輪に通して支えられており、普通に竹を押しただけでも紙の輪が切れて竹が割れなさそうです。しかし、上からたたきつける木刀の力とスピードがものすごいため、竹は見事に折れ曲がりました。それらの見事な様子は動画もありますよ。

白峯神宮では3日16時から神事の後、豆まきが行われました。こちらは地元の方が中心の豆まき。豆まきのタイミングをよくご存じなのか、神事が始まってからもどんどん集まってこられます。そして子どもたちが多いです。豆はたくさん撒かれますので、両手にいっぱい豆を持って帰るお子さんもいました(笑)

円町駅近くの達磨寺として知られる法輪寺では、達磨さんにちなんだユニークな節分行事が行われました。およそ8000体ともいわれる達磨も公開され、一年間の無事平安を祈願するお札を貼られた大きな達磨も登場します。お札は参拝者によって貼られて行き、達磨さんのお顔も分からないほどになっていきます。

千本閻魔堂ではコンニャク炊きも振る舞われました(有料)。コンニャクの形は閻魔さんの舌に似せてあるのだそうです。また、節分の時に仮装をすることで厄が払われるという「節分お化け」の風習を伝えようとされている島原太夫さんらの一行と思しき方々とも遭遇しました。

三条商店街では、「お化けパレード」として、各々が好みの格好に扮して商店街を練り歩く行事も行われました。参加者は若い方が多く、熱気を感じます。また「中京(なかぎょう)音頭」も披露されて、商店街を明るく通り過ぎて行きました。

以上、京都にはまだまだこの10倍くらいの様々な節分行事があります。京都の一年の中でも最も行事の多い時期でしょう。それだけ宗派を問わず、神仏を問わず、節分というのは大切にされていたということなのでしょう。機会がありましたら、是非節分の京都にもお越しください。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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