時代祭 2012年 京都御苑にて


22日は京都三大祭りの一つ、時代祭が行われました。千年の都・京都らしい時代装束に包まれた行列が、京都御苑から出発していきました。今回は出発前の京都御苑の様子を、豊富な写真でご紹介します。

昨年は順延となった時代祭、今年も天気マークでは雨がつきましたが、雨の降り出しは夜遅くから。日中は快晴の空が広がって、絶好の行列日和となってくれました。私は京都御苑で巡行前の一行を見て回り、巡行自体は堺町御門の出口で眺めてきました。

御苑に到着すると、ちょうど維新勤王隊列が丸太町通を進んできたところでした。この列は、戊辰戦争の折りに丹波の山国村(旧・京北町、現・右京区)から官軍に参加した山国隊の姿に倣ったもので、軽快な鼓笛のリズムと足踏みが印象的。時代祭の先頭を行く華やかな一団です。

その前に、時代祭は平安神宮の祭事でもあります。丸太町通の反対側からは、平安神宮に祀られている平安京の創始者・桓武天皇と、京の都で一生を終えた最後の天皇・孝明天皇のご神霊が乗った鳳輦(ほうれん:神輿)が進んできました。堺町御門から京都御苑へと入っていく様子は、さしずめ年に一度の里帰りとでもいえるでしょうか。神輿などに続いては、各時代名や歴史上の人物名が書かれた旗などもまとめて入ってきて、正式な巡行とは違った並びでも楽しむことができました。

その後、維新勤王隊列も堺町御門から中へと入り、巡行路を逆走して待機場所へと進んで行きました。巡行の開始は12時からですが、2時間ほど早く京都御苑に来てみると、集合してくる行列たちに出会えるのでおススメです。

さて、京都御苑の建礼門前にもうけられた行在所(あんざいしょ)に鳳輦が到着すると、神事(行在所祭)が始まります。時代祭が行われる10月22日は桓武天皇が平安京に遷都を行った日で、京都の誕生祭として時代祭が行われます。風俗行列は明治28年の内国勧業博覧会の記念行事として始まり、列の数を増やしながら今日に至っています。

京都御苑に到着した参加者の一行は、それぞれの待機場所でお弁当を頂きます。そして記念撮影なども始まります。時代祭は京都市民全員が氏子ということで、各学区で数十年に一度順番が回ってくるというもの。一生に1度か2度あるくらいの貴重な経験ですね。加えて学生アルバイトも入って大変賑やかです。学区の参加者は、数ヶ月前から小学校などで着付けや隊列の練習をして参加されるそうです。

今回一番微笑ましかったのが、衣装や武器に興味津々の子どもたち。囲まれたおじさんたちが丁寧に答えていました。子どもたちにしてみれば見たことのない衣装が大集合するので、質問もたくさん出てきますね。

時代祭で注目を浴びるのはいわゆる「綺麗どころ」。平安時代を中心とした女性たちは例年舞妓さんたちの奉仕によります。今年は先斗町の舞妓さんも参加されていました。彼女たちはあまり早く来すぎるとカメラマンやギャラリーに囲まれて混乱するため、出発前ぎりぎりにタクシーで御苑へと入ってこられます。さて、以下京都御苑での様子は写真や動画でお楽しみください。次回は、堺町御門を出る行列の様子です。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年目。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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