鴨川のユリカモメ


今年も京都の冬の使者、ユリカモメが鴨川にやってきています。

京都の冬の風物詩と言えば、やはりユリカモメをあげる方も多いでしょう。今シーズンもすでに紅葉のころから鴨川には現れていて、季節の進みを教えてくれました。ユリカモメは、その名の通りカモメに似た白い鳥で、集団で行動をする渡り鳥です。ロシアのカムチャッカ半島から、はるばる約3000kmを旅して京都にやってきて、暖かくなる春には次第に北の故郷へと帰っていきます。

ユリカモメは平安時代に書かれた伊勢物語の中で「都鳥」と呼ばれながら、実は当時の京都にはいなかったという面白い鳥です。しかも実際に「都鳥」の名にふさわしく京都で見られるようになったのは、1974年(昭和49年)の1月と、かなり最近のことです。この時は2か月ほど滞在をしていなくなったそうですが、その後、渡来するのはだんだん早くなり、帰っていくのは次第に遅くなって、近年では5月頃まで見られるそうです。

彼らが日本にやってくるのは餌を求めてのこと。故郷の北国は川も海も凍りついて、餌が取れないのです。加えて、長旅を経て、また春には故郷に帰るため、鴨川のユリカモメは非常に食欲が旺盛です。賛否の議論はありますが、鴨川にはユリカモメに餌をやる人々の姿が散見されます。先日、三条を大橋を通りかかると、橋の上から餌をやっている方に出会いました。ユリカモメはあまり人を恐れることはなく、手から餌をもらって行きます。

欄干にも止まって、その雪のように白い姿をすぐ近くで見ることができたのですが、本当にカモメのようです。やはりこの姿を見ると冬を感じずにはいられません。一方、松原橋のあたりでは川鵜もよく見かけます。彼らはじっと羽を伸ばして乾かす習性があるので、なかなか威厳があるようにも見えます。寒い時期の京都鴨川にも、様々な鳥がいますね。なお、出町柳付近を中心にトビ(鳶)が人の弁当などを奪う事件も前々から起きていますので、意図せず鴨川で食べ物を見せると、鳥に狙われる恐れもあります。十分にご注意ください。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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