岩倉実相院 新しくなる石庭

実相院 石庭
先日、岩倉にある実相院を訪れてきました。床みどりも美しく、また石庭が市民の手も加わって新しくなりつつあります。

実相院岩倉実相院は、鎌倉時代に創建された門跡寺院で、大宮御所の一部を下賜された客殿には貴重な襖絵も残されています。また、春から秋にかけては、ピカピカに磨かれた床に、外の楓の色が輪郭をぼかしながら映りこむ「床みどり」が美しく、秋に楓が紅葉すれば「床もみじ」と呼ばれます。床みどりはエメラルドグリーンで非常に見事。晩秋の床もみじは、真っ赤に燃える赤色が人々の目を楽しませてくれます。また、雪の積もった日には「雪化床(ゆきげしょう)」と呼ばれる、床に雪の白が移りこむ光景も運が良ければ見ることができます。残念ながら写真撮影は禁止ですが、前回の冬に見てきました。雪の実相院境内の様子は、その時のブログをご覧ください。

実相院 石庭実相院の枯山水のお庭は、今年から2年かけて改修されている最中です。庭は「こころのお庭」と名付けられ、この春には「こころのお庭プロジェクト」として、市民60人が参加して、お庭の苔張りが行われました。市民の手によってお庭の改修がなされていくわけです。石庭の改修は、明治期の作庭家7代目小川治兵衞直系の小川勝章さんが協力し、市民はアドバイスを受けながら苔を張り付けて行かれたとのこと。市民参加は秋にも行われて、少しづつお庭にも彩りが増え、美しくなっていくのではと思います。

実相院 蓮庭は、海や雲に見立てた石庭に大きな波を配し、日本列島をコケで表す計画なのだそう。大きな波を表す立体的な造りも特徴的です。この日も暑い昼下がりでしたが、庭を吹き抜ける涼風に当たっていると、眠気に誘われていきそうになりました。夏のお庭はこうして日陰で座って蝉の音を聴き、風を感じられるような場所がお勧め。実相院もその一つです。

実相院 苔実相院は檀家がなく、単立寺院となっているため、宗派からの援助もないそうです。客殿の維持管理や修復は、基本的に拝観料によって賄われています。貴重な建物や絵画も傷みが進んでいるところもあり、実相院では寄付も募っておられます。実相院は、地下鉄の国際会館駅からバスで行けば目の前で、比較的行きやすいですので、是非、積極的に足を運んでみて下さい。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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