処暑の京都 広沢池の風景

嵯峨野
8月23日からは二十四節気の「処暑(しょしょ)」に入りました。暑さが峠を越えて涼しくなり始めるころです。

嵯峨野8月23日夜から降りだした雨は、まさに処暑にふさわしく涼しい空気を運んできています。23日の最高気温は28.0℃、24日は28.7℃と、大幅に気温が下がりました。一方で、各地で豪雨による災害が発生してしまいました。近年は狭い範囲に集中して降る、たちの悪い豪雨が頻発しています。まだこれから秋雨があり、10月いっぱいは台風にも注意が必要。伊勢湾台風に匹敵する勢力の台風を、この50年日本は経験していませんが、今年こそ来ないとも限りません。災害はこの先もどこかで起こってしまいますので、起きた時のための対応を考えておいて頂ければと思います。

最高気温の平年値の変化さて「立秋」の意味は「秋の気配を感じ始めるころ」でした。言い方を変えれば「秋の気配は感じ始めても、まだまだ暑い」のです。一方の「処暑」は明確に「暑さが峠を越えて涼しくなり始めるころ」を表しています。気象予報士である以上、科学的にそれを証明せねばなりません。気温の平年値のカーブを見て頂くと明確にその傾向が見えています。

最高気温の平年値の変化(近似線あり)処暑の期間からは気温低下のペースが速まり、よりはっきり秋へと向かっていくことは一目瞭然ですね。二十四節気は「よく出来ている」と唸らされます。また、二十四節気は定点(特定の日付)だけなく、「期間」も表しています。今回はたまたま処暑にあわせて涼しくなりつつありますが、もっと広く、今年の場合は8月23日~9月6日の間に「暑さが峠を越えて涼しく」なり始めればよいのです。あせらずじっくりと、季節の歩みを感じていきたいですね。

広沢池2013年の夏は記録的な猛暑となっています。近年は「記録的」な夏が頻発しつつありますが、その中でも記録的なのが今年の夏です。京都では1994年以来の39℃を記録。過去133年の観測記録(1880年11月~)の中でも5位に入る高温です(ちなみに1位~4位は全て1994年)。また、8月9日~16日にかけて、なんと8日連続して37℃を超えました。17日は36℃台にやや下がったものの、18日~22日にかけて再び5日連続の37℃超え!つまり、9日~22日の2週間(14日間)のうち、13日間で37℃を超えているという、これまで誰も経験したことがない超高温が続いたのです。

広沢池通常、京都で37℃を超えれば、その年の「年間最高気温」クラスです。例えば、2012年の年間最高気温は37.5℃、2011年は36.9℃で1日たりとも37℃を超えた日はありませんでした。「観測史上最も暑い夏」と呼ばれた2010年ですら、年間最高気温は38.1℃。2013年は38℃以上が6日間もあります。数字を見れば、2013年の夏がいかに「異常」かがよくわかります。

広沢池処暑を過ぎてこの夏の気温はどうなるのか?23日に発表された近畿地方の1か月予報を見ると、平年より気温が高い状況は続きそうですが、これまでのような極端な高温は収まってきそうです。また、9月に入って37℃を超えたのは過去130年以上で4日しかありません。週間予報の元になる天気図を見ると、この先は秋の空気も南下してくる予想ですので、やはりこれまでのような猛暑は収まって来るでしょう。今までが猛烈に暑かった分、平年より多少高くても、ずいぶんと季節の進みを感じさせてくれそうです。

広沢池今回の写真は8月20日の嵯峨野や広沢池の風景です。一帯は、歴史的風土特別保存地区に指定されているため、平安時代と大きくは変わらないのではと思わせてくれるような、京都近郊屈指の長閑な風景が広がっています。田んぼに実り始めた稲の風景の奥には、嵐山が望めます。少し離れた場所にはありますが、レンタサイクルを借りられる方は、広沢池の辺りまで足を延ばしてみて頂くと、きっと京都の新たな一面に出会えることでしょう。

ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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