平野神社 節分祭 祓いの舞と弓神事

平野神社 節分祭
2月3日の節分。京都各地で個性的な行事が行われました。平野神社の節分祭では、優雅な祓いの舞と弓神事が行われました。

平野神社 節分祭平野神社は桜の名所として知られますが、四季の行事も充実しています。特に和楽器の演奏奉納がある行事が多く、個人的には楽しみにしています。節分祭では、優雅なお箏の調べと唄に合わせて、平野神社を拠点にしておられる山城舞楽の方により「祓いの舞」が奉納されました。祓いの舞は、年に1回、節分祭の神事でしか奉納されないという貴重な舞です。この後、舞殿で行われる弓神事を前に清める意味合いがあるのでしょう。お箏の音色がとても美しく、唄と舞も合っていて非常に優しい雰囲気で見とれてしまいました。よければ動画でもご覧になってみて下さい。

平野神社 節分の豆続いて、弓神事の前に豆まきが行われました。平野神社の豆は北東と南西とで撒かれ、それほど数は多くありません。見学者も多くはないので、これくらいでちょうどよいのかもしれませんね。一つ一つの豆の袋には可愛らしい鬼の絵が描かれていて、豆も4粒ほどしか入っていない子ども用サイズです。京都の節分では豆の袋にも個性があり、面白いです。

平野神社 節分祭 弓神事そして舞殿で厳かに弓神事が行われます。一つ一つの所作も決まっていて、ゆっくりと進めて行く様子に威厳を感じました。的は舞殿の南側に設置されており、的の中心には「鬼」と書かれています。鬼は疫病の象徴でもあるため本来は目に見えない存在です。実は平安朝の追儺の儀式では鬼は登場せず、方相氏(ほうそうし)が矛と盾を打ち鳴らして邪を祓っていました。また、弓矢にも邪を払う力があるとされ、平安朝では武士が弓の弦を鳴らすことで邪を祓う「鳴弦(めいげん)」の儀式が行われていました。

平野神社 節分祭現代に伝わる弓の神事では、桃の弓に葦(よし)の矢を用いる所もありますが、平野神社がそうかは分かりませんでした。また、先述の通り、鬼は本来は目に見えないものであるという考え方から、弓矢で的を射る場合は、「的の裏」に鬼と書かれているのが通例です。その意味では、的の表に「鬼」と書かれている平野神社の的は、京都で行われている他の神事とは異なっています。現実的には、目に見えていた方が見ている方にも分かりやすいですね。

平野神社 水仙さて、平野神社の弓神事では、今年は2人の方が2本づつ矢を放ちました。さすが、4本全てが的に的中です!今年の節分祭も無事に厄除けができたのではないでしょうか。こうして神事は終了します。余談ですが、平野神社の境内には水仙の花が綺麗に咲き、寒桜も真冬に春の風情を感じさせてくれていました。さすがに京都屈指の桜の名所。あと2カ月足らずで境内は一面の桜に覆われることでしょう。今から楽しみです。


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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。

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