台風11号の接近に伴い、京都の行事にも大きな影響が出ています。「京の七夕」は9日・10日が中止、「五条坂陶器まつり」も9日・10日と中止が決定し、このまま今年は終了となってしまいました。9日夜の壬生寺での六歳念仏踊りの奉納も中止となり、たいへん残念です。台風が近づくときは杓子定規に中止としてしまうのは楽ですが、気象予報士としては「できます」というのも大切だと感じています。事実、今夜はまだ京都の風速は5m/s程度。実況さえ見れば、中止にするようなレベルではないのですから。
ただ、午前中は一時雨脚が強まり、京都でも鴨川が増水しました。台風からの湿った空気がぶつかっている三重県では激しい雨が降り続き、「大雨の特別警報」がほぼ全県に発表されました。台風が過ぎ去るまで、厳重な警戒が必要です。特に三重県北中部で危険度が高く、鈴鹿山脈など山沿いでは特に注意をしてください。避難に際して頑丈な建物への避難が難しい場合は、建物の上層階で崖とは反対側の部屋に入るようにし、情報を得られるツールを身近に置いておいてください。
近畿でも今回の台風の進路は影響が大きく、沿岸部を中心に暴風や高潮に警戒してください。内陸部の京都でも「突風」が危険で、特に川沿いは風が吹き抜けやすく危険度が高まります。また、山沿いも風が通りやすいので要注意です。10日午前中は不要不急の外出は避けてください。大雨にも引き続き警戒が必要です。台風の雨は広範囲に降るため、比較的大きな河川も増水します。河川には近づかないようお願いします。
さて、今回は「京の七夕」の鴨川会場の様子です。鴨川会場は、堀川会場のように一方通行の規制が無く、自分たちのペースで光の散策路を歩けることが魅力。今年も三条大橋下流では「みそそぎ川光の演出」があって美しい光が輝き、三条大橋と四条大橋の中間点付近では、プロジェクションマッピングも行われています。
プロジェクションマッピングの今年のテーマは「京の七夕物語」。離れ離れになってしまった織姫と彦星が再会する物語です。京都や鴨川にゆかりのある物、生き物、場所が登場するアニメーションに仕上がっていて、なかなか親しみやすかったです。映像は鴨川左岸(東側)に投影されますが、人の通行は制限されていませんので、時折、ジョギングしている人なども通って笑いが起きる場面があります。何も知らずに通りかかった人はびっくりですね(笑)京の七夕は11日まで。9日・10日は中止となり非常に残念ですが、最終日は多くの方に見ていただきたいと願っています。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。特技はお箏の演奏。