京都の紅葉がいよいよ見納め。今回は最後の紅葉を眺めることができる場所をご紹介します。
12月に入って早々に厳しい寒さと風雨によって紅葉はあっと言う間に散って行ってしまいました。正直、今週末に見られる場所を見つけるのは難しいのですが、場所を選べば何とかならないこともありません。まずは「建仁寺」。京都の繁華街、祇園の南にある京都最古の禅寺です。街中にあるため気温が高く、紅葉の色づきは遅め。終盤ではありますが、まだ美しい光景を目にすることができます。
お時間のある方は、ぜひ有料拝観を行ってみてください。潮音庭の紅葉も終わりかけではありますが、角度によってはこちらもまだ綺麗です。そしてある意味紅葉以上に美しい、襖絵の展示が12月14日まで行われています。鳥羽美花さんの「禅を染める」と題された展示で、建仁寺を開いた栄西禅師が亡くなってから800年の慶賛行事として催されています。
襖絵は「型染め」の技法を進化させた「型染絵画」と呼ばれ、細かい曲線がつむぎだす芸術的かつ繊細な風景が描かれています。特に、潮音庭に面した部屋に描かれた「舟出」という絵は、色鮮やかな青がたいへん印象的で、多くの人が「わぁ~!」と感嘆の声をあげていました。絵はいくつかの部屋に展示をされており、春夏秋冬を表しているそうです。他にも建仁寺の拝観では、天井龍や方丈庭園など見どころもたくさん。ゆっくりとご覧になってみてください。
一方、東山では知恩院の北出口にあたる黒門に向かう参道のカエデもまだ綺麗でした。こちらも終盤ですのでお早めに。知恩院へは、一般的には三門方面から入りますが、あえて北側の黒門から入ってみるのもよいでしょう。あるいは、帰りに北側から抜けて行ってみてください。
ねねの道沿いでは、高台寺へと向かう台所坂のカエデも遅いのですが、こちらは京都でも有数に遅いのでまだ緑です。あるいは「西行庵」を覗いてみるのもおすすめ。なかなか綺麗な光景が広がっていました。長楽寺も紅葉は遅いですが、盛りは過ぎていました。
下鴨神社も紅葉が遅いことで知られます。ただ、今年は例年より色づきがよくない印象です。下鴨神社の紅葉は緑も目立ちますが、今年は急激な冷え込みもあってか、緑のまま散っている木も見られました。もしかすると、今年はこのまま他の木も散ってしまうかもしれません。紅葉が遅い龍安寺も最終盤で、こちらもあまり色づきはよくない印象。紅葉が遅い場所は光が当たりにくい場所にあるため、カエデの色が緑から黄色が多く、そのまま散っていくこともあります。鮮やかな赤色を見せる木はほとんどが散り果てていますので、残念ですがまた来年に期待しましょう。
散策・講座のお知らせ
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。特技はお箏の演奏。