今年も眺めた雪の金閣寺 

雪の金閣

18日の京都は朝から雪が積もり、各地で雪景色を眺めることができました。今回も金閣寺の風景をご紹介します。

雪の金閣京都の初雪は17日の夜に観測されました。日本海側を中心に大雪となり、全国的に風も強まりました。京都では18日の未明から雪が降りやすくなり、明け方には2cmを観測。日中も断続的に雪が舞いました。一旦は10時で積雪深は0cmになりましたが、11時までに1cmが新たに積もりました。京都の雪は10時を過ぎると厳しいことも多いですが、今回は昼過ぎまで見られたところが多かったと思います。今年も金閣寺に訪れてみると、やはりたくさんの人で賑わっていました。

雪の金閣金閣寺には海外の方や修学旅行生などが訪れ、それぞれが金閣の美しさに感動をされていたようです。雪の金閣寺を見る際のポイントは「雪が止んでから」行くこと。雪が降っている最中はみな傘をさすため狭い見学場所がさらに狭くなり、殺伐とした雰囲気となります。また、雪が降ってると池に波紋が立ち、風も吹きやすいために「逆さ金閣」が映りにくくなるのです。雪の量が多ければ、池を融けかけの雪が覆って全く映らないことも。ぜひ、雪が上がるタイミングを見計らって訪れてみてください。なお、日差しが戻れば金閣はより輝いて美しく見えるのですが、日差しは急速に雪を融かすため見極めが難しいところです。

雪の金閣 鳳凰金閣寺の象徴である金色の舎利殿は、一層目は貴族の時代の寝殿造、二層目は武家造、最上階の三層目は禅宗の造で、屋根には天下を治める者が正しい政治を行った際に舞い降りるという鳳凰も。金閣はわずか10歳で将軍になった足利義満がたどり着いた、栄華の極みだったのでしょう。創建した当時は最上階のみが金箔で、二層目は黒漆(くろうるし)だったという説もあります。いずれにせよ、それだけ金は貴重だったといえそうです。残念ながら当時の建物は、60年ほど前の1950年に放火によって焼失し、5年後に多くの方々の寄付を中心に再建されました。

雪の金閣しかし再建から10年を経て、金箔が剥げ出してしまいます。室内と違い、直射日光による紫外線や風雨にさらされる環境は、通常の金箔では長く持たなかったようです。ということで、1986年から当時のお金で約7億4千万円もの金額を投じて金箔の張り替えが行われ、現在の輝きとなりました。実は、焼けてしまう前の金閣の屋根に輝いていた鳳凰は、焼失を免れて現存しています。義満も眺めたであろう鳳凰をいつか見てみたいものですね。

雪の金閣金閣に貼られている金箔は、10cm四方のものがおよそ20万枚で、通常の5倍の厚さで貼られています。全体としての金の重量はなんと約20kgもあるそう。現在でも金箔を用意しているそうで、はがれたりしている部分が見つかれば補修をしているとのことです。世界中を楽しませるあの輝きには見えない「重み」が隠れているのですね。雪の日に限らず、多くの人を魅了する眺めです。

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