日本一暑い!京都の夜

北野天満宮
先日、ラジオで京都の夏の夜は日本一暑いとお話しさせていただきました。京都の暑さについて少し詳しく書いてみます。

京都市役所7月31日から連日35℃以上の猛暑が続いていた京都。12日と13日はいずれも35℃を下回り少し暑さが落ち着きましたが、今年は2013年ほどではないものの、37℃を超えた日数が7日間もある記録的な暑さとなっています。こう続くと37℃にも慣れてしまいそうですが、37℃は通常であれば年間最高気温レベルの暑さ。2011年は年間最高気温が36.9℃、2009年は36.5℃で、年によっては37℃に達しないこともあります。今年は歴代5位の39.1℃も観測するなど、厳しい暑さとなっています。

北野天満宮 三光門日中の暑さもさることながら、近年の京都は夜の気温が下がらず、全国約840地点の気温の観測点がある中で、夕方以降の京都は「日本で一番暑い場所」となることがしばしば。暑い街といえば岐阜県の多治見や、埼玉県の熊谷、群馬県の館林などが思い浮かびますが、いずれも日中の話。夕方以降は気温が下がってきます。ところが京都は日中の気温がベストテン入りすることもあるほど暑いことに加え、都市化の影響で夕方以降に気温が下がらず、先日はなんと午前1時でも30℃を超えているという異常事態も発生しました(おそらく過去135年で初)。京の底冷えは絶滅し、対照的に「日本一暑い夏の夜」が生じているのです。

鴨川日中に気温が上がる理由は盆地であることがその一つ。熱がたまりやすく、山を吹き下りる風は気温を上昇させます。一方で盆地は冷たい空気もたまりやすいので、一般的には日中は気温が上がっても、夕方以降は速やかに気温が下がって行きます(多治見などはこのパターン)。しかし京都は人口約150万人を数える大都市。空調の排熱などがたまって、なかなか冷えなくなっているのです。これも風が弱い盆地が災いしているのでしょう。水をたたえた田んぼもほとんどなくなり、冷やすものがありません。夜遅くになってもアメダスでは京都だけ30℃以上を示す真っ赤な表示が続きます。

京の七夕いっそこの暑さを何かでPRして観光に…とはいかないでしょうか。目先は暑さが落ち着きますが、週末から再び気温が35℃を超える予想となっています。昼のみならず、夜も熱中症になる恐れがありますので、体調には十分にご注意ください。まだまだ猛暑に警戒が必要です。

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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)

吉村 晋弥気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。特技はお箏の演奏。

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