東寺の北西にある六孫王神社では八重桜と藤が綺麗に咲いています。
六孫王(ろくそんのう)とは源経基(みなもとのつねもと)のことで、父親の貞純親王(さだすみしんのう)が清和天皇の第「六」皇子であり、経基が清和天皇の「孫」にあたることから名付けられました。神社の建つ場所は経基の邸宅跡で、子の源満仲(みなもとのみつなか)が父を祀ったのが始まりと言われています。神社内に経基のお墓もあります。経基は、平将門や藤原純友の反乱(承平天慶の乱)にも関わり、満仲は武士団を組織して清和源氏としての基礎を確立。子孫も数々の武功を挙げて、後の源頼朝らへとつながっていきます。
さて、六孫王神社の境内は計3回も鉄道によって浸食されています。明治時代に2回。2回目の東海道線の建設に伴って、すぐ北にあった源実朝ゆかりの遍照心院(へんじょうしんいん)と呼ぶお寺も移転してしまいました。現在は大通寺として九条大宮の南にあります。すぐわきを新幹線が通る境内は、八重桜や藤が綺麗に咲いています。地元の方が訪れては春を楽しむ場所で、ツツジも咲き始めていました。境内はどこかのんびりとした雰囲気があります。東寺まで行かれる際は足を延ばしてみてもよいでしょう。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2016」監修。特技はお箏の演奏。