東福寺の天得院が7月10日まで特別公開されており、涼やかな桔梗の花が庭を飾っています。
京都は桔梗の花が各地で見ごろを迎えて、青色の清楚な花で暑くなり始めた境内に「涼」を与えてくれます。東福寺の天得院は毎年この時期に桔梗のお庭を特別公開しています。お庭は桃山時代の作庭と伝わり、杉苔が美しい中に青と白の桔梗の花が咲き誇ります。天得院は室町時代の初期に創建され、江戸時代の初めの住持・文英清韓(ぶんえいせいかん)は、方広寺の「国家安康・君臣豊楽」で知られる鐘の銘文を選んだことで知られます。この銘文は徳川家を呪うものとされて家康の怒りを買い、天得院も取り壊されますが、後に復興して現在に至っています。
さて、個人的には天得院の桔梗は昼も夜も何度も見てきましたが、やはり毎回美しいと感じます。天得院さんもPRを頑張っておられるので、年々人も多くなっているように感じます。庭園を室内から眺める形式ですので、お庭の写真はどなたも綺麗に撮ることができるでしょう。天得院には華頭窓があり、その奥に燈籠と桔梗を眺められるのがこの時期ならではの光景です。ぜひゆっくりと清楚な桔梗をお楽しみください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。2011年秋は京都の紅葉約250カ所、2012年春は京都の桜約200カ所を巡る。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2016」監修。特技はお箏の演奏。