先日、京都府立植物園を訪れると福寿草が綺麗に咲いていました。
まだまだ彩りの少ない今年の早春。京都府立植物園では、福寿草が花を咲かせ、フキノトウも顔を出し始めています。いずれも「植物生態園」の茂みの中にあります。植物生態園は日本各地の山野に自生する植物や古来より栽培されてきた園芸植物などが、生態的にできるだけ自然に近い状態で植栽されています。まるで森の中を散策しているような気持ちにもなり、その中で春を告げる植物を探して歩くのはこの時期ならではの楽しみ方かもしれません。
福寿草(フクジュソウ)は、春を告げる花の代表として古くから愛されてきた植物です。旧暦では立春前後にやって来る新年に合わせるように咲くため、新春を祝う「福寿」の花としても喜ばれました。鮮やかな黄色の花と、緑の深い葉が印象的です。ビルに囲まれた現代の京都の街では、園芸用の鉢植えを除けば見るのは難しく、府立植物園で自然に近い形で出会えるのは貴重な機会かもしれません。
そして福寿草は、パラボラアンテナのような花が太陽の熱を集めて、中心の雄しべや雌しべを周囲よりも最大10℃ほども温めることで、虫を集めて受粉を促すという、実はすごい花です。光を浴びると短時間で花を開かせ、太陽を追いかけて花の向きも変化させていきます。植物は知れば知るほどその能力に驚かされます。なお、福寿草とスノードロップは2月26日の誕生花です(私の誕生日でした)。
園内では、一足早く様々な花と出会える「早春の草花展」が3月11日まで行われていますが、その様子は次回以降でご紹介します。また、3月31日までは「京都検定」の合格証を提示すれば入園料は無料です。他の場所でもこの時期だけの特典がありますので、検定をお持ちの方は合格証を携帯して訪れてみてください。
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ガイドのご紹介
吉村 晋弥(よしむら しんや)
気象予報士として10年以上。第5回京都検定にて回の最年少で1級に合格。8年ぶりに受験した第13回京都検定で再度1級に合格し「京都検定マイスター」となる。第14回京都検定1級(合格率2.2%)に最高得点で合格。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2018」監修。特技はお箏の演奏。