真如堂では、菩提樹と沙羅の花が咲いています。
吉田山の東に続く神楽岡にあるのが真如堂。紅葉の名所として名高く、阿弥陀如来像への信仰も篤いお寺です。現在は、本堂裏の紫陽花(アジサイ)が見頃を迎えていますが、別途ご紹介します。9日に訪れると、本堂前では菩提樹の花が咲いて、よい香りを漂わせていました。お釈迦様は35歳の時に菩提樹の木の下で坐禅を組んで悟りを開いたとされますが、お釈迦様はインドの人物ですので、気候が違う日本では同じ花が育たず、似た葉を持つ中国原産のシナノキ科の木を「菩提樹」と呼ぶようになったそうです。
本堂前の菩提樹は淡黄色のたくさんの花を咲かせ、よい香り漂わせていました。現地の説明書きには「花期は短く、花をご覧になれた方は、きっとご縁があったのでしょう」と書かれています。まだ今週中は楽しめそうですので、お近くの方は訪れてみて下さい。
また、菩提樹の向かいでは「沙羅の花」も咲いています。正確には「夏椿」という花で、お釈迦さまが入滅する(亡くなる)際に、白い花を咲かせて悲しみのあまり枯れてしまった「沙羅双樹」とは異なる花です。菩提樹と同じく、気候の違いで日本では同じ花が育たないため、白色で椿と同じくポトリと花を落とし、さらに1日花という儚い姿から、夏椿が沙羅双樹の花とみなされました。こちらはまだ咲き初めで、本格的な開花はこれから。境内を包む緑も気持ちよく、真如堂の風景は今の時期にもおすすめです。
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京都検定1級に4年連続最高得点で合格(第14回~第17回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2020」監修。特技はお箏の演奏。
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