23日まで、今熊野観音寺ではお砂踏み法要が行われています。
今熊野観音寺は、泉涌寺の山内にあるお寺で、西国三十三ヶ所観音霊場の15番札所、頭痛平癒のご利益でも知られるお寺です。その創建は、弘法大師・空海が自ら刻んだ観音像を安置したことに始まり、境内入り口でには「子護(こまもり)大師像」と呼ばれる、大きな弘法大師の像が迎えてくれます。
空海の出身地でもあり、修行をした地が四国で、四国八十八ヶ所霊場巡りは全国的にも有名です。この大師像の周りには、四国八十八ヶ所のお砂が埋まっているようで、像を回ることでご利益を授かれるともされています。
そして、今熊野観音寺では毎年9月21日~23日にはお砂踏み法要が行われて、境内で四国八十八ヶ所の各寺のお砂を踏んで、参拝を行うことができます。お砂踏み法要は、観光行事というよりは信仰の行事ですので、ある程度そういった気持ちを持って行かれる方がよいでしょう。
今年は新型コロナウイルスの影響で、例年とは対応が異なっており、各四国霊場の朱印が押された笈摺(おいづる)という白衣の貸出はなし、お賽銭の両替も不可です。お砂は30分に1回消毒されているとのこと。
参拝者はまず受付でお札を頂いた後、清めの儀式を受け、参拝所へと入ります。具体的な参拝法としては、各お寺の本尊が描かれた掛け軸を拝みながら、敷かれた砂を踏み、お賽銭(必須ではない)とお札を1か所づつに入れ、巡拝して行くというものです。お砂は過去8年ほど毎年入っているのが印象的です。
こうして巡拝をすることで、四国八十八ヶ所霊場を回ったのと同じご利益を授かれるとされ、ご高齢やご病気、多忙や新型コロナの影響などで四国八十八ヶ所を回ることができない方には特にありがたいことでしょう。
参拝冥加料は1300円。そこに別途お賽銭がかかります。時間は混雑具合にもよりますが、今年は空いており、スムーズに進みました。また、期間中、秘仏ご本尊の十一面観音菩薩像もご開帳されています。合わせてご参拝ください。
ガイドのご紹介
京都検定1級に4年連続最高得点で合格(第14回~第17回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2020」監修。特技はお箏の演奏。
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