京都検定1級に7度目の合格

12月に受験した京都検定1級(京都・観光文化検定試験1級)。6年連続で7回目の合格をしました。

京都検定1級 合格証

13年前、26歳の時に合格をしている京都検定(京都・観光文化検定試験)の最高難度である1級。6年前から複数回合格者が「京都検定マイスター」として表彰されることになり、2016年12月に8年ぶりに1級を受験。無事に合格することができ「京都検定マイスター」となりました。その後、毎年1級の受験を続け、今回も合格をすることができました。ご声援、ありがとうございました。

前回合格分の京都検定マイスター認定証

今回の合格率は11.4%と、比較的易しい回となりました(昨年は8.7%)。合格者は私を入れて97名。1級は150点満点で8割の120点で合格となりますが、前々回から7割以上8割未満(105点~119点)の方は「準1級」として認定され、1級合格証とほぼ変わらない認定証がいただけるようになりました。今回の準1級の認定率は13.1%となっています(昨年は13.5%)。1級合格者と合わせると24.5%で、昨年の計22.2%とほぼ変わりませんが、合格者が多いというのは、それだけ対策を練って勉強のコツをつかんだ方が多かったのかもしれません。

今回の私の結果

今回の私の得点は「141点」でした。漢字間違いが0点なのは仕方がないとして、正答を書いたはずで身に覚えのない減点があり、正直かなりモヤモヤしています。過去にも不可解な減点や得点があったことがあり、採点がすっきりしないことがあるのも京都検定1級です。毎回思うことですが、何が2点で何が1点で何が0点なのか、採点基準については主催者は具体的かつ積極的に発信してほしいと強く願っています。できるならば個別の詳細な採点結果も返送してほしいです。どこが間違ったかすらわからないと改善のしようがありません。

雪の永観堂 2017年

なお、過去4年は私が最高点でしたが、今回は合格率も高かっため最高点は難しいと思っています。一方で、漢字間違い、凡ミス、謎の失点以外で、知識としてわからなかった問題は今回は1問だけのため、次回以降に知識としてわからない問題ゼロを目指したいです。私の周辺の1級受験者の方も何名か合格されており、ご報告を伺うのは嬉しく思います。特に初めて合格された方は、感慨もひとしおではないでしょうか。本当におめでとうございます。

井手の玉川 2016年

私自身はこれで通算7度目の合格となりました。毎年書いていることですが、現業のガイドとして求められる各分野のより深い知識や、なぜその社寺は建てられたのか、人々を引き寄せてきたのか、目の前の行事にどのような意味があるのかなどといった物事の本質的な話や、何よりお客様にとって分かりやすく楽しんでいただける散策・講座を構成できるかということは、京都検定1級とは全く別なスキルです。

千本ゑんま堂大念仏狂言 2018年

最高峰の1級といえども、プロとしてより高いレベルを見据えれば、基礎でしかないといえるでしょう。そして実際にこの目で京都各地の四季の風景を眺め、数多くの行事を見続けてきた経験に勝るものはないと感じています。これまで何年もかけてコツコツと丹波丹後を含む京都各地(に加えて日本各地)を巡りながら、美しい写真や貴重な動画といった、京都の魅力をお伝えするための材料をそろえる努力を続けています。

宝ヶ池 2019年

京都検定1級のコンセプトは「京都の魅力を発信でき、次世代に語り継ぐことができる」こと。私はまさにそういった人材になりたいのです。これからも引き続き、日々コツコツと京都を歩き、勉強を重ねて、より分かりやすく京都の知識や風景、その限りない魅力と奥深さを散策や講座を通じてお伝えしていければと思っています。今後とも、ご声援のほどよろしくお願いいたします。また、級に関わらず受験に臨まれた皆様も、本当にお疲れ様でした。合否に関わらず、勉強を通じて京都のことをより好きになっていただければ、ひとりの京都ファンとして心から嬉しく思います。

ガイドのご紹介

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京都検定1級に4年連続最高得点で合格(第14回~第17回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。

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「京都検定1級に7度目の合格」への8件のフィードバック

    1. むじなさん

      「禁じ手」とおっしゃられる意味が分かりかねます。

      京都検定は何度でも受験することができ、マイスターの合格バッヂは10回合格分まであるなど、
      主催者も複数回の受験を歓迎しています。同業のプロの方でも複数回受験をされている方はおられます。
      そして、定員もなく、私が合格すればどなたかが落ちるという試験でもありません。

      私はプロとして結果と実力を示す、ひとつの手段だと捉えておりますし、
      勉強を通じて、新たな知識を得ることも未だにあります。
      自己研鑽の機会と捉え、今後も受験をして参ります。
      そして、京都の魅力を発信できるように、引き続き日々出来ることを積み重ねていければと思っています。

  1. 私は未だ複数回一級を受験して、不合格の連続です。吉村さんが輝かしい実績を挙げているのは、筆舌に尽くし難い快挙であると思います。唯、唯頭が下がります。プロのガイドであろうとなかろうと、素晴らしいの一言です。「禁じ手」と仰られる方がおられるようですが、全くの筋違いです。吉村さんが反論されていますが
    仰っている内容に私も大賛成です。むしろ、私のような「よそさん」からして見れば、京都、いや京都市で観光、旅行他に携わっている方々は一級にチャレンジして、少なくとも一回合格するまでは受験し続けるべきだと確信しております。それほど「京都・KYOTO」は凄い都市であるのです、関東在住の人間からしてみれば、、、、それより、思うのは団体受験で優秀な3級合格の団体を表彰する制度があるみたいで、過去京都市役所か京都に関する団体が表彰されていましたが、それこそ筋違いです。市役所勤務でしたら、それこそ京都のどまん中で四六時中、空気を吸って居るわけですから、無意味なことです。当たり前です。受験者全員とまでもいかなくて結構ですから、1級を受験して、合格率が全1級受験者の合格率以上でしたら、表彰してあげる。3級合格の成績を対象は意味なし。どうお考えですか?

    1. 関徹様

      私につきましては恐縮です。3級の表彰につきましては初めて受ける方々のモチベーションにはなると思いますので、私はあってもよいのではと思っています。ただ、2級・1級は合格者特典も3級と同じですし、そこにどういった受験へのモチベーションや合格の価値を見いだすかが難しいところではないかと思います。知識面では1級は「広さ、正確さ」を求められるという点で難しいのですが、実は際だって深い知識というわけでもなく、1級合格が京都観光に携わる方々全員に必須かと言われると、それもまた難しいところです。例えば仏像を専門とするガイドさんであれば1級のような「広い」知識は不要ですが、仏像について1級レベルよりもさらに「深い」知識は必要です。同じように東山や嵐山エリアに特化してご案内される方の場合は、その他の京都のエリアの知識はあまり必要ではなく、一方で東山や嵐山地域の知識については1級レベルよりも深いものが必要になるでしょう。立場によって必要とされる知識も変わりますので、必ずしも1級で問われる知識が観光関係者に必須とはいえないかと。基礎として3級を取った先は、個々のモチベーションやご事情でよいのではと思っています。もろもろご意見はあるかと思いますので、ここに記載しましたのはあくまで私の意見で、関様のご意見を否定するものではない点を付け加えておきます。

  2. 有難うございました。よく吉村様の仰ることが理解できます。3級の受験のモチベーションなどは、なんとなくそうかな、と思う程度ではありますが、、、
    唯、私の京都へ観光(勉強の意味も含めて)での感想では、あくまでも、たまたまかも知れませんが、数年前
    映画「鬼龍院花子の生涯」の撮影場所である、「橋本」への道筋を「京なび」で伺ったところ、前のカウンターにいた女性ばかりか後方に待機している、高齢の男性スタッフでさえ「橋本」の名前すら存じなかった。
    流石に五条楽園、中書島や撞木町などは存じていたみたいですが。又、同じデスクで、「将軍塚」へのアクセス法を伺ったところ、確か私の知る限り歩いて2つのルートが下から行けるとの情報があったので、どうでしょうか?と聞いたところ、何と言ったと思います?調べもしないで、「駅前にタクシーがありますよ」との答え!!!関東の人間の私は「バカヤロー」と怒鳴るところでした。もう一つ、文博で鑑賞していた時は、私が何かに関連して「裏寺町通」について問うたところ、言下に2人の学芸員(?)に「そんな通りはありません」と否定されました。以上、この3件は一例に過ぎませんが、これは恐らく、級に拘わらず出題の確率が低いかも知れませんが、ここで私が言いたいのは、吉村様が指摘されている、各分野得意な人とのことですが、いやしくも「京都・KYOTO」を代表する観光関連の施設でのこの対応は情けない、結局私の結論としては、「市井」の人に求めているのではないので、「観光関連」の人に1級合格を目指してくれ!と望んでいるのです。何も、学問的に深く追求している問いかけではないのです、ざっくり言うと「場所案内」を求めているのです。受験勉強していく内に、それに関連して色々な事象が見えてくると思うのですが、そして知識が増えると思うのですが、、、

    1. 関徹様

      そのようなことがおありだったのですね。確かに1級を目指して学んでいく結果として、京都観光についての様々な知識が身につくという部分はあろうかと思います。私も理想としては、そうした高いモチベーションと京都愛を持って、ホスピタリティや知識の向上に余念がない方が増えてほしいと願っています。一方で、そういった方は恐らくごくごく少数であるのもまた現実で、それは観光系の仕事に限らず、どの業種でも致し方ないことでもあると私は感じます。いかにして学ぶ動機付けをするかと言う部分はまた難しいところです。例えば観光系の企業の中には1級に合格すれば報酬が上がるという企業があるのを知っていますが、1級は合格率が相当低いこともあってか、金銭的な報酬があったとて、そもそも目指される方は少ないようです。1級の勉強を業務時間内でさせてくれるところや、例え落ちても構わないからと受験料を合否にかかわらず負担してくれるところもまずないでしょう。個々人が業務外で時間を費やしても、その努力が報われない時には大いに徒労感も伴います。

      思うに、ガイドも含め、これからはAIに置き換わっていく時代です。目先の単純に思いつく解決策としては、観光案内所などにもパソコンやiPadなどの通信端末を必須にして、その場で確実に調べて対応するというのがよいように感じます。1級合格には「記憶力」が必要ですが、私自身ガイドとして思うのは、質問に記憶のみに頼るのは誤ったことを伝える可能性があるため危険です(1級合格者でも試験後に覚えたことを忘れてしまう方も多いでしょう)。橋本も将軍塚への登り口も、通信端末で調べればすぐにわかるはずで、個々の記憶力に頼らずとも正確で満足度の高い情報提供ができるように感じます。こうした体勢はすでに取られているかもしれませんが、観光に携わる方々の個々人の研鑽は望みつつ、組織としてよりスムーズに観光客の質問に答えられる体勢が整っていってほしいと願っています。

  3. 吉村様
    有難うございました。流石に、そのレベル、合格実績もさることながら、観光に対する向き合い方、敬服致します。このような言い方をすると嫌味に聞こえるかも知れませんが、「京なび」も「文博」他も吉村様位の知識、自分の住んでいる京都に対する、世界に誇る「KYOTO」想いのスタッフがもっといれば、ガラッと、好感度が増すと感じます。私の言いたいのは、なにも町中を歩いている地元の方々に求めていることではなく、卑しくも観光に携わっている方々に求めていることなのです。それほど、難しくはないと思います。
    特に「京なび」に関しては、来年にも京都を訪れた際、さらりと「将軍塚」や「橋本」等に対して同じ問いかけをしてみたいと思います。その後少しは進歩したか、です。意地が悪いかも知れませんが、時間と費用等をかけて、果たして京都を訪れる喜びを、私なりの視点で会得できるか?です。何も京都を訪れる観光客の目的は「金銀苔石」だけではないと思います。「清水寺」だけではないと思います。その位の目的(表現?)でしたらわざわ、「京なび」に足を運びません、ガイドブック等に頼ります。その遥か上をゆく、情報量です。欲しいのは!!!心細いのです。
    スタッフの方々にはくれぐれも、知識や情報量の益々の会得もさることながら、対応に腐心することを望むばかりです。
    以上私の想いのたけを吐露しましたが、最後に私の意見に対しての吉村様の向き合い方、考え方に、敬服、感謝、感謝です。とてもためになりました。京都を訪れる観光客の中には、色々な観光客がいるということを、「生業」にされている方々は「真剣勝負」と捉えて、それこそ「おもてなし」をして欲しいです。重ね重ね有難うございました。

    1. 関徹様

      ありがとうございます。関様の記載にもありますように私自身も京都の歴史や観光資源の奥深さ、ジャンルの広さを感じるばかりで、まだまだ日々勉強を重ねていかねばと思っております。そうした多様な京都の楽しみ方や情報ニーズに応えていけるように、観光業界全体もあらゆる面で質が高まっていってほしいと願っております。貴重なご意見ありがとうございました。

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