一休寺「一休善哉の日」

1月30日に、京田辺の一休寺一休善哉の日がありました。

一休善哉の日

一休寺は、正しくは酬恩庵(しゅうおんあん)といい京都の南、京田辺市にあるお寺です。境内は楓の木が多く、紅葉や新緑の時期は大変綺麗です。そして、一休寺の通称でも知られるように、とんちの一休禅師ゆかりの寺でもあります。この地には元々、大応国師(南浦紹明)によって建てられた妙勝寺というお寺がありました。それが時とともに荒れ果ててしまい、国師の六世の禅の弟子である一休が、36歳から63歳にかけて復興し、師の恩に酬いるとの意味で酬恩庵と名付けたのが一休寺です。その後、一休寺自体も荒廃しますが、江戸時代初期に加賀前田家の援助などで復興し、現在の境内風景が整いました。

一休寺

一休寺では、毎年1月最後の日曜日を「一休善哉の日」として、善哉(ぜんざい)の接待や絵馬の奉納が行われています。一休禅師は、あるとき大徳寺の住職からお餅の入った小豆汁をごちそうになり「善哉此汁(よきかなこのしる)」とおっしゃったため、「善哉」という名が付けられたと言われています。この日は朝から多くの参拝者で賑わっていました。一休善哉の日は、拝観料や善哉の接待も含めて受付で1000円を支払います。

一休寺

受付で絵馬や善哉券などが入ったセットを頂くと、まずは玄関から入ります。そして絵馬に一年の自分に対する誓いをしたためます。一年の自分自身の目標を新たにすることで、一年間その言葉を持って、生きていく力づけにしようとするものです。できれば急ごしらえではなく、あらかじめ考えてから足を運ばれるとよいかもしれません。

一休寺 絵馬

そして20分おきに方丈内に案内をされ、一休禅師像の前で祈祷が行われます。その中で一人一人の名前を呼んで頂けるのもありがたいところです。続いて禅寺らしく、しばし瞑想を行います。以前は足を組みましたが、今回は椅子に座っての瞑想でした。数分迷走を行って僅かばかりでも自己を見つめ、絵馬の誓いを実現できるように心がけるのですね。

一休寺

方丈での法要後、庭園などを眺めて、再び外に出て絵馬をかけると、いよいよお善哉を頂くことができます。時間が許せば、方丈を出て絵馬をかける前に本堂に参拝し、境内も散策してみて下さい。境内には一休像や「このはしわたるな」と看板が立てられた有名なとんち話にちなんだ橋もあります。お庭は紅葉の時期や新緑の時期もたいへんおススメです。また、宝物殿では貴重な寺宝も見せて頂けます。

一休善哉の日

善哉は普段は入れない江庵という建物で頂きます。法要が終わった直後は混み合いますが、席数は多いためしばらく待てば座ることができます。席に座って善哉券を置いていれば、ほどなくお善哉を持ってきて頂けます。今年はコロナ対策で使い捨ての器でしたが、とても美味しそう。個人的には善哉は大好物です(笑)濃いお味の餡子と、芳ばしいお餅が最高でした!まさに 「善哉此汁(よきかなこのしる)」 。なお、以前に訪れたときは一休寺納豆が添えられていましたが、今回はありませんでした。毎年恒例の一休善哉の日。機会があれば訪れてみてください。

一休善哉の日

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京都検定1級に4年連続最高得点で合格(第14回~第17回、第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。

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