京都御苑の拾翠亭(しゅうすいてい)では、サルスベリ(百日紅)が綺麗でした。

拾翠亭(しゅうすいてい)は、公家の九条家の現存する茶室で、かつての一流公家の茶室に上がり、素晴らしい風景を眺めることができます。勾玉形とも呼ばれる九条池に臨む2階建ての眺めが特徴です。京都御苑の南西付近にあり、駅から近い一方で茂みに囲まれてやや分かりにくいため、御苑の中でも穴場スポットといえるでしょう。

拾翠亭は、2021年4月から今年3月まで1年間、池に架かる高倉橋も含めて修復されていましたが、4月から公開が再開されています。公開日は木曜日から土曜日の9時半~15時15分最終受付で、料金は300円となりました(以前は100円)。屋根が葺き直され、木の色が真新しい高倉橋が緑の中に佇んでいる姿が印象的です。

この時期はサルスベリの花が見頃。特に2階からは綺麗な赤い花を眺めることができ、池の奥にかかる高倉橋の風景も重なって、とても京都らしい趣を感じられます。訪れる人は多くはなく、運が良ければこの風景を貸し切りで楽しむことができるでしょう。写真は13日のものですが、サルスベリはまだ今週末も楽しめそう。お時間のある方は、訪れていただくのもおすすめです。

拾翠亭の名には、翠(みどり)の草花を拾い集める、という意味があり、初夏には新緑や楓、真夏にはサルスベリ、秋には紅葉と、それぞれ美しい景色で目を楽しませてくれます。なお、高倉橋はいつでも渡ることができ、橋から眺める拾翠亭の光景も綺麗です。

ガイドのご紹介

京都検定1級に5年連続最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。
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