10月19日に、建勲神社で船岡祭が行われ、仕舞「敦盛」の奉納や火縄銃の実演が行われました。今回は舞の奉納をご紹介します。
船岡祭は織田信長が上洛した1568年10月19日にちなんで行われる神事です。建勲神社(けんくんじんじゃ、たけいさおじんじゃ)の祭神は織田信長。秀吉の時代に時の天皇から許可を得て、船岡山を信長の霊地にしたことに始まり、明治時代に天皇の権威を回復しようとした功績が再評価されて明治天皇の命によって神社が築かれ、のちに同じく本能寺で亡くなった信忠も祭神に加わりました。現在の社殿へはきつい階段を登って到着します。
船岡大祭では、仕舞「敦盛」が奉納されます(信長が好んで舞ったのは幸若舞といわれます)。「人間五十年、下天の内をくらぶれば、夢幻の如くなり 一たび生を得て 滅せぬ者のあるべきか」の一説がよく知られています。敦盛とは、源平時代の武将・平敦盛のことです。一の谷の戦いで熊谷直実(くまがいなおざね)に討たれてしまいますが、直実は我が子と変わらない若さに、討つのをためらったとされています。直実はのちに仏門に帰依し、「人間五十年」の下りは直実が出家をして世をはかなむ場面となっています。
「敦盛」の様子は動画もありますので、よければご覧になってみてください。また、敦盛のあとには「小鍛治」の仕舞と、舞楽の蘭稜王も奉納されました。船岡大祭での奉納演目は年によって変わります。今年の船岡祭では3年ぶりに火縄銃の実演がありました。大音響が響き渡る様子は、戦国時代の戦いの激しさを思わせてくれます。次回以降に動画も含めてご紹介予定です。
ガイドのご紹介
京都検定1級に5年連続最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として10年以上。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。
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