近衛邸跡のイトザクラ

近衛邸跡のイトザクラ(しだれ桜)が見頃を迎えています。

近衛邸跡

京都でもいち早く咲くしだれ桜が植わるのが京都御苑の近衛邸跡です。近衛家は、代々摂政や関白を務めていった五つの家・五摂家のひとつ。近衛邸は、1520年~30年頃の風景とされる洛中洛外図屏風(歴博甲本)にもしだれ桜が描かれており、京都でも大変古い歴史がある桜名所です(ただし当時の近衛邸は、現在の同志社大学新町校舎付近にありました)。場所を変え、時を超えても、往時を思わせる桜を眺めることができるのも京都のすごいところかもしれません。

近衛邸跡

幕末の孝明天皇はこのような歌を詠みました。「昔より 名にはきけども 今日みれば むへめかれせぬ 糸さくらかな」。「昔から評判を聞いてはいたけれども、今日見てみると、なるほど目が離せなくなるほどに美しい糸桜であることだ」といった内容です。近衛邸跡の現在のイトザクラは当時から代替わりをしていますが、現代に生きる私たちも「目が離せない」ほどの桜の美しさを感じることができます。

近衛邸跡

イトザクラ(しだれ桜)の上品な姿は人々を優雅な気持ちへと誘います。また、近衛邸跡には早咲きの桜だけではなく、遅咲きの紅しだれ桜も植えられていて、例年4月初めにかけて楽しめる桜の名所となっています。今出川駅からも近く、交通の便がよいのも強みでしょう。2022年には笹屋伊織の茶店ができるなど、昨年の桜シーズンにはなかった魅力も加わっています。

近衛邸跡

近衛邸跡のしだれ桜や、御苑の桃林などへは、京都旅屋の散策でも20日午後に訪れる予定です。花は見頃が続いている見込みです。今年は桜の見頃が短くなりそうで、さらに22日から4-5日は「なたね梅雨」模様で雨やくもりの日が続いてしまいそう。ぜひ、よい時にお花見にお越し下さい。

近衛邸跡

ガイドのご紹介

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京都検定1級に6年連続最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。

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