早くも仁和寺の御室桜が見頃となっています。見頃の期間は短いため、お早めに訪れてみて下さい。

「京都の桜の最後」といえば、真っ先に仁和寺が思い浮かぶ方もおられるかもしれません(実際にはもっと遅い場所や八重桜もありますが)。御室桜は今年は異常に早く見頃となっています。近年は早い開花の年が増えており、2021年と2018年も4月3日の満開となりました。

御室桜は、仁和寺境内にある桜の総称で、特定の種類ではありませんが、境内の中門を入って左側に広がる桜苑は「御室有明」という特殊な種類で埋まり、この桜が一般的には御室桜と呼ばれています。この御室有明は、背が高くならないのが特徴。桜の下に粘土質の土壌があり土中に酸素や栄養分が少なく、桜が根をのばせない要因の一つになっているそうです。

仁和寺の桜は、江戸時代から吉野の桜に優るとも劣らないと人気を博し「わたしゃお多福 御室の桜 はなが低くても 人が好く」と歌われました。「はな(花・鼻)」が掛け言葉になっています。満開の桜は、まさに桜の雲海と呼ぶにふさわしく、その雲の中を泳ぐように散策し、ひょっこりと顔を出す五重塔を探すのが楽しみのひとつ。エリア奥の分かりやすい場所には自然と人だかりができますが、自身のセンスに合う場所を探して歩くのも面白いでしょう。

写真という意味では、光の当たり具合からして午後の方がおススメではあります。また見頃は短く、例年満開の時期は2日~5日程度しかありません。散り始めるとあっという間に散ってしまうこともある難しい桜です。なお、江戸時代の御室桜は「八重桜」が主でしたが、現在は一重がほとんど。それでも1割程度「八重桜」も残されていますので、探してみるのも面白いです。

4日は満開かつ青空という最高の条件で、私も感動しながら眺めてきました。満開で青空に出会うのは運も必要な桜だといえるでしょう(今年はもう難しそうです)。6日・7日の雨で散ってしまいそうで、できれば5日のうちに訪れてみて下さい。

ガイドのご紹介

京都検定1級に6年連続最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。
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散策・講座のお知らせ
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4月4日(火)13時30分~16時頃
美しき桜の雲海!仁和寺の御室桜ととっておきのお寺散歩 - 【受付予定】
4月18日(火)午前 → 青蓮院と知恩院の鐘
4月18日(火)午後 → 建仁寺と正伝永源院
4月21日(金)午前・午後 三千院(シャクナゲ)、寂光院 - 5月15日(月)午前 → 御苑で葵祭見学
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4月5日(水)13時30分~16時頃
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