竹の径の「竹の春」

先日、向日市の竹の径(みち)を訪れました。

竹の径

2023年は9月15日から旧暦8月に入っています。旧暦の8月は、別名「竹の春」と呼ばれる時期でもあり、次第に秋らしくなってくる今時分に、竹は盛んに新葉を出します。若竹が育つ一方でまだ日光は十分にあり、竹は春を謳歌しているような瑞々しい緑を見せてくれるのです。反対に「竹の秋」は旧暦の3月の別名で、タケノコに栄養を取られてしまう分、竹の葉は茶色くなり散っていきます。竹は、春と秋が逆転しているかのような面白い植物です。京都は嵯峨野をはじめ各地で美しい竹林を目にできますが、京都市と向日市の境目に沿ってある洛西竹林公園や竹の径(みち)もおすすめです。

竹の径

洛西はタケノコの産地としても知られ、美しく整備された竹林が向日市から長岡京市にかけて見られます。この竹林の景観を保全するため、2000年頃から環境整備(放置竹林対策・不法投棄予防)を行って、向日市特産の孟宗竹を使って整備されてきたのが、全長1.8kmにも及ぶ「竹の径(みち)」です。

洛西竹林公園

竹の径は、同じく竹の風景を楽しめ、竹についても学べる洛西竹林公園の目の前にありながら、京都市と向日市との境界の道ということで主に向日市にあり、この道を歩いていると本当に気持ちがよく、先の見えない竹林の間を抜けて非日常の空間へと誘われていくようです。竹の径には、各種の竹垣もあって趣を添えています。まさに「竹の春」を感じるにはうってつけの場所です。

竹の径 建築中の竹林小屋

竹の径は、これほどの美しさの割りに高台にあるその行き難さからか、休日の昼間でも人通りは非常に少ないです。時折、ロケ地としても使われる場所でもあります。美しい竹林は、地元の皆様のたゆまぬ努力があってこそ保たれるもの。今後も、向日市の地域振興に一役買ってほしいと思います。竹の径にある寺戸大塚古墳付近では、京都建築専門学校の生徒さんが授業の一環で再建中の竹林小屋もできあがりつつあるようです。機会がありましたら、蚊への対策を忘れずに足を延ばしてみて下さい。

寺戸大塚古墳前 古墳垣

ガイドのご紹介

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京都検定1級に6年連続最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。

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