三栖神社の炬火祭 2023年

10月8日に、伏見にある三栖神社の炬火祭(たいまつまつり)が行われました。

三栖神社の炬火祭

三栖神社は伏見の南西部にある神社で、詳しい創建時期は不明ですが、祭神に天武天皇をお祀りしています。天武天皇が672年の壬申の乱の折りに三栖付近を通った際、村人は炬火(たいまつ)を灯して夜道を照らしたのが、今回の炬火祭(たいまつまつり)の発祥とされています。

三栖神社の炬火祭

炬火祭は、10月第2日曜日に行われる祭で、長さ5m-6m、直径1.2m、重さ0.8~1トンともいわれる巨大な松明に火を灯す勇壮な火祭りです。三栖の周辺は宇治川や巨椋池、横大路の沼などがある湿地帯で、葦(よし)が多く育成をしていたため、大松明も葦で作られているのが特徴です。

三栖神社の炬火祭

大松明は中書島駅の西にある三栖会館に置かれ、19時になると三栖神社の御旅所(金井戸神社)で神事が行われた後、境内から天武天皇の神霊がお乗りになった神輿が出され、三栖会館にある大松明の元へと巡行していきます。提灯が灯された神輿は幻想的で、神輿を先導する際に灯される手持ちの松明も、独特の雰囲気があります。

三栖神社の炬火祭

今年は祇園祭の鷹山による祇園囃子の奉納演奏があったあと、20時からいよいよ点火の準備が行われます。重さは1トンを超えるという巨大な松明ゆえに、まず横に倒すのにも細心の注意が必要。長い棒2本をうまく操りながら、松明を倒して竹田街道へと少し前進してきます。

三栖神社の炬火祭

松明の先頭にお多福の面が付けられて準備が整うと、その場で3度回った後にいよいよ点火。松明の後ろに火が灯されると、巨大な炎が一気に燃え上がって行きました。そして神輿を担ぐのと同じように、炎が点いた松明を竹田街道を北へ向かって担いでいきます。担ぎ手たちによる「あーよいよいよ!」の掛け声が響き、かなりの熱気を感じるなか、道の両側から地元の方が見守ります。大変迫力のあるお祭りです。燃えカスも勢いよく舞って、近くではかなりの量を浴びます。目に入った場合は目を擦らないようにご注意ください。

三栖神社の炬火祭

大松明は例年は途中で何度かその場で回る場面を見せながら、竹田街道をゆっくりと北上しますが、今年はそのまま京橋の辺りまで来てから何度か回り終了し、消火となりました。追いかけることも可能ではありますが、人混みをすり抜けるのは危ない部分もありますので、ご注意ください。今年は4年ぶりに大松明に点火となりましたが、やはり大いなる迫力を感じられました。凄いお祭りです。

三栖神社の炬火祭

消火が終わると、人々は松明の葦を持ち帰って行かれます。そして神輿は御旅所へと引き返してきました。最後にやってくるのは清掃車。相当の燃えカスやススで道路が汚れますので、ちゃんと綺麗にしていくのです。こうした対応も興味深いお祭りです。大松明が燃え上がる様子は動画もありますので、ぜひご覧になってみてください。

ガイドのご紹介

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京都検定1級に6年連続最高得点で合格(第14回合格率2.2%)、「京都検定マイスター」。気象予報士として20年。これまでに訪れた京都の観光スポットは400カ所以上。自らの足で見て回ったものを紹介し、歴史だけでなくその日の天気も解説する。毎月第2水曜日にはKBS京都ラジオ「笑福亭晃瓶のほっかほかラジオ」に出演中。「京ごよみ手帳 2022」監修。特技はお箏の演奏。

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